タイ軍、詐欺拠点公開 地下独房や臓器売買の痕跡 カンボジアに圧力
タイ軍、詐欺拠点公開 地下独房や臓器売買の痕跡 カンボジアに圧力

タイ軍は7日、カンボジアとの国境付近にある国際詐欺拠点を報道陣に公開した。タイ軍は施設内で押収した文書記録から、地下の独房での監禁や拷問、借金返済のための臓器売買といった行為が蔓延していた可能性があると主張。詐欺拠点の撲滅に向けて、カンボジアへの圧力を強める構えを見せる。

制圧した施設に1万5千人余りが従事か

タイ軍が公開したのは、タイ東部とカンボジア北西部との間にあるチョンチョム検問所付近の、カンボジア側にある施設だ。朝日新聞を含む国内外のメディアが参加した。

タイ軍によると、この施設は2025年12月に起きた両軍による軍事衝突の際、タイ軍が制圧した。約150棟ある中の2割の施設で中国や東南アジア、南アジアなど十数カ国から集められた1万5千人余りが詐欺行為に従事していたとみている。タイ軍はこの施設が、カンボジア軍のドローン発射基地としても使われていたとし、「占領が目的ではない」として制圧の正当性を主張している。

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地下独房と拷問の痕跡

施設本部とみられる4階建ての建物。X線の手荷物検査装置などが置かれた入り口を通過し、階段で地下1階に降りると、薄暗い廊下の奥に黒いドアの小部屋が12室並んでいた。「ここは独房だった」。タイ軍の広報担当者がそう説明した。

近づくと、古いトイレのような鼻をつく臭いがした。室内には濃い茶色の液体が入った大型のペットボトルが残る。収容者がトイレがわりに尿をためた容器だという。タイ軍の制圧時、ここから多くの人が救助された。顔や体に殴られたような痕があり、手の指を切り落とされた人もいたという。拷問器具も多数見つかったという。

病院施設と臓器売買の疑い

別の一角には「医院」と書かれた3階建ての建物があった。外科や内科などのほか婦人科や性病科もあり、卓上には医師の顔写真とともに、経歴などが中国語で書かれたプレートが残っていた。

「手術室」と書かれた部屋には、手術台やさびた手術器具が放置されていた。タイ軍は施設内で押収した文書から、ここで「臓器売買」が行われていた可能性が高いと説明する。振り込め詐欺などで利益をあげられず、借金を返せなくなった人が、自らの臓器を売っていたとみられる。

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