平和の礎、除幕から30年 刻銘は国籍や軍民を問わず
沖縄県糸満市にある「平和の礎」は、沖縄戦の犠牲者24万2659人の名前が刻まれた慰霊碑である。1995年6月23日、沖縄戦の組織的戦闘終結から50年を機に除幕された。刻銘の対象は国籍や軍人・民間人を問わず、沖縄戦の戦没者を中心に、1945年9月7日の降伏調印式から約1年以内に戦争が原因で亡くなった人も含まれる。
米兵の姪が来日、刻銘板に手を触れ追悼
2026年6月22日、沖縄戦で命を落とした米兵アレハンドロ・イツェアさん(当時22歳)の姪、ポーリンさん(68)が来日し、礎にバラの花を供えた。ポーリンさんは「叔父や沖縄のことに思いをはせられる貴重な場所だ」と語った。同行したスペインの歴史研究家ペドロ・オイアルサバル博士(55)は「勝者、敗者に関係なく追悼する世界でまれな取り組み。誰もが生涯に一度は訪れ、価値を知るべきだ」と評価した。
刻銘の内訳と追加申請の仕組み
刻銘者の内訳は、県内14万9703人、県外7万8365人、国外は5か国・地域の計1万4591人。遺族から追加刻銘の申請があれば、沖縄県が戸籍や位牌、史実などを基に判断する。米兵の追加刻銘にはオイアルサバル博士が尽力してきた。
デジタル技術で慰霊の新たな形
2025年6月には、インターネットで刻銘者情報を検索できるシステムが整備された。2026年3月には、メタバース(仮想空間)上に再現された礎で、アバターを操作して慰霊が可能になった。直接訪れることが困難な人の利用や、平和学習での活用が期待されている。



