2024年の欧州自動車市場において、電気自動車(EV)の販売シェアが25%を超える見通しとなった。特に中国メーカーの低価格EVが攻勢を強めており、欧州勢との競争が一段と激化している。
中国勢の低価格戦略が奏功
調査会社のデータによると、2024年第1四半期の欧州EV販売台数は前年同期比で約15%増加し、市場全体の伸びを上回った。中国のBYDや上海汽車(SAIC)傘下のMGなどが販売を牽引しており、特にMGは欧州での販売台数を前年比で倍増させた。
業界関係者は「中国メーカーはバッテリーの内製化などにより、競争力のある価格を実現している」と指摘する。例えば、MGの小型EV「MG4」は2万ユーロ(約320万円)を切る価格設定で、欧州の競合モデルより大幅に安い。
欧州勢の反攻と規制強化の動き
こうした中国勢の攻勢に対し、欧州の自動車メーカーは低価格EVの投入で対抗しようとしている。フォルクスワーゲン(VW)は2025年に2万5000ユーロ以下のEVを発売する計画を発表した。一方、欧州連合(EU)は中国製EVに対する相殺関税の導入を検討しており、2024年内にも決定される可能性がある。
EUの報道官は「公正な競争環境を確保するため、補助金を受けた中国製EVの流入を監視している」と述べた。実際、EUは2023年10月に中国製EVに対する反補助金調査を開始しており、その結果次第では追加関税が課される見通しだ。
充電インフラ拡充が課題
EV普及の加速に伴い、充電インフラの整備も急務となっている。欧州委員会は2024年までに主要道路沿いに高速充電器を設置する目標を掲げているが、実際の進捗は遅れている。特に東欧や南欧では充電ステーションの密度が低く、EV購入の障壁となっている。
ある業界アナリストは「充電インフラの整備が追いつかなければ、EVシフトのペースは鈍化する可能性がある」と警告する。しかし、各国政府の補助金や自動車メーカーの投資により、今後数年で改善が進むと期待されている。
今後の展望
2024年の欧州EV市場は、中国勢の低価格攻勢と欧州勢の対抗、そして規制強化の動きが交錯する一年となりそうだ。EUの関税措置が中国勢の勢いを弱める可能性はあるが、それでもEVシフトの流れは変わらないとみられる。自動車業界は、技術革新とコスト競争力の両立が求められている。



