スペイン政府は6月30日、不法滞在状態にある外国人を合法化する大規模な救済制度の申請期限を迎え、申請者数が100万人を超えたと発表した。当初の予想約50万人の2倍に達し、欧州全体で移民規制が強化される中、異例の試みとして注目されている。
予想の2倍、100万人超の申請
左派のペドロ・サンチェス政権が今年4月に導入したこの制度は、主に中南米出身者を対象に約50万人への救済を見込んでいたが、実際の申請数はその倍に膨れ上がった。サンチェス首相は「100万件以上の申請があったことは、権利と責任の承認がどれほど必要とされていたかを示している」と述べた。
欧州の移民規制強化の中で
欧州各国では極右政党の台頭により、社会主義政権を含め移民規制を強化する動きが広がっている。その中でサンチェス氏は開かれた移民政策の旗振り役となり、高齢化や地方過疎化が進むスペインでは経済や社会保障、年金維持のために移民受け入れが必要だと主張してきた。
合法化の条件と審査プロセス
ただし、申請者全員が合法的在留資格を得られるわけではない。申請者には犯罪歴がないこと、今年1月1日以前に少なくとも5か月以上連続してスペインに滞在していたことを証明する必要がある。当局は今後3か月かけて書類を審査し、スペイン国内でのみ有効な就労・在留許可を発行するか判断する。
政府の狙いと経済効果
サンチェス氏は移民に「機会と未来を提供する」ことが政府の狙いだとし、「人々を『見えない存在』に追いやることは国にとってマイナスであり、全員が不利益を被る。私たちは世界から人権を尊重・保護・擁護する国としてスペインを見てもらいたい」と説明した。スペインは近年、先進国トップクラスの経済成長率を維持しており、サンチェス氏は建設など労働力不足のセクターでの移民受け入れのメリットを強調している。
ビジネス界は歓迎、野党は反発
スペインのビジネス界は合法化の動きを歓迎しているが、保守派や極右の野党は、この政策がさらなる不法移民を助長する「呼び水」になると猛反発している。



