中国で乳幼児用紙おむつの安全性をめぐる不安が急速に広がっている。発端は、国営新華社通信系の経済紙「経済参考報」が2026年6月18日に報じた調査報道で、複数ブランドの紙おむつから有害物質ホルムアミドが検出されたと指摘したことだ。これに対し、対象となったメーカーは全面的に否定。SNS上では「どちらを信じればいいのか」と怒りや困惑の声が相次ぎ、中国政府の調査結果を待つ状況となっている。
調査報道の内容と反響
経済参考報は、特定の紙おむつを使用した子どもの肌に赤みやただれが出たとするSNS投稿が相次いだことを受け、専門の検査機関に依頼。その結果、ホルムアミドが検出されたと伝えた。さらに、別の検査機関が乳幼児の尿や血液を調べたところ、多くのサンプルでホルムアミドが検出され、記者が腕におむつを巻いて一晩着用したところ、記者の血液中のホルムアミド濃度が2倍になったと報じている。ホルムアミドは生殖機能や肝機能、腎機能に悪影響を及ぼすとされ、中国では化粧品での使用が禁じられているが、紙おむつの安全基準には検査項目として含まれていない。
メーカーの反論と市場の混乱
報道で名指しされたブランドには、米国企業傘下の製品も含まれていた。各メーカーは直ちに声明を発表し、自社製品の安全性を強調。「当社の製品からホルムアミドが検出された事実はない」と全面否定した。北京のベビー用品販売店では、店頭に「ホルムアミドは検出されませんでした」とする検査結果を掲示し、店員は「フェイクニュースだ」と語るなど、現場は混乱している。SNSでは「うちの子が使っていた」と不安を訴える親の投稿が相次ぎ、一部の消費者は国産ブランドから輸入品への切り替えを検討し始めている。
日本製への信頼再評価
中国ではかつて、訪日客が日本製紙おむつを「爆買い」する現象が起きたが、近年は国産ブランドが台頭し市場シェア上位に食い込んでいた。今回の報道を受け、一部のアナリストは「日本製を含む輸入品への信頼が改めて示された」と分析。実際、SNSでは「やっぱり日本製が安心」といった投稿も見られる。経済参考報の報道は1981年創刊の歴史ある経済紙によるもので、その信頼性が問われる中、中国政府が調査に乗り出す可能性もある。今後の動向次第では、紙おむつ市場の勢力図が再び変わる可能性がある。



