「ダイエット中だから糖質はできるだけ控える」という食生活が、かえってやせにくい体につながることもあるという。美しさや筋肉、心を支えるたんぱく質とともに、ブドウ糖も欠かせない栄養素だ。過剰な糖質制限でブドウ糖が不足すると、代謝の低下などさまざまなデメリットが生じる可能性がある。
『キレイでスリムになる すごい朝食』(いくとうひさよ著/伊藤路奈監修/青春出版社)から、たんぱく質とブドウ糖が果たす役割を抜粋して紹介する。
たんぱく質がもたらす4つの効果
たんぱく質が欠乏すると、人間にとって最も重要な脳や神経に優先的に使われ、筋肉や皮膚、髪は後回しにされる。その結果、筋肉が落ちやすくなり、肌のハリや髪のツヤが失われるなど、見た目に変化が現れる。美しさを保つには、たんぱく質をしっかり体に入れることが大切だ。
筋肉は体内でエネルギーを多く消費する場所であり、筋肉がしっかりあると日常の消費エネルギーが増え、代謝が高い状態になる。逆に筋肉が減ると、同じ生活をしていてもエネルギーを使いにくくなり、やせにくい体になる。筋肉を維持・増やすには、3度の食事でたんぱく質を補充し、常に血液中にある状態にすることが重要だ。
食事誘発性熱産生とは、食事後に体が温まったり汗をかいたりする現象で、たんぱく質はこの際に消費されるエネルギーが最も高く、摂取カロリーの約20~30%とされる。糖質は約6%以下、脂質は約4%である。たんぱく質は食べるだけで消費されるエネルギーが多く、体に残りにくい栄養素でもある。
たんぱく質は体だけでなく心にも深く関わる。気分や感情に関係するセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質は、たんぱく質からつくられる。たんぱく質が不足すると、心の安定にも影響が出る。イライラしやすい、気分が落ち込みやすい、やる気が出ないといった状態の背景に、たんぱく質不足が隠れていることもある。
ブドウ糖は悪者ではない
ブドウ糖は糖質の一種で、太りそうという悪いイメージを持たれがちだが、実際はそうではない。ごはん(ブドウ糖)を食べると、一部が肝臓に蓄えられ、余った糖は筋肉に蓄えられ、さらに余ったものが体を動かすために使われ、最後に余った分だけが脂肪として蓄えられる。そのため、ブドウ糖を摂っても最終的に脂肪になる分は少ない。
糖質は種類が重要で、ブドウ糖はごはん、パン、麺類などの穀類や、さつまいも、じゃがいもなどのイモ類に多く含まれ、体や脳の主要なエネルギー源となる。炭水化物は食物繊維と糖質で構成され、ブドウ糖は糖質の中で最も単位が小さい単糖類の一つだ。体の必須栄養はブドウ糖だけであり、ブドウ糖が不足すると代謝が落ち、やせにくくなる。
さらに、食欲が止まらなくなる、赤血球がうまく働きにくくなる、骨がもろくなる、肌がパサパサになる、短期記憶が悪くなるなどのデメリットもある。炭水化物量(糖質量)だけに注目して過剰な糖質制限をし、ブドウ糖を摂取しないと、遠回りのダイエットになる。
ブドウ糖は飢餓モードを打ち破り、脳と体にエネルギーを供給する役割があり、たんぱく質は食欲を抑制し、満腹感を持続させる役割がある。両方がそろって初めて血糖値が安定し、セカンドミール効果も得られる。大量摂取は禁物だが、たんぱく質の食欲抑制効果を最大限に得るためにも、美容と健康を保つためにも、ブドウ糖は絶対に必要な栄養素だ。



