農林水産省は18日、2026年産の一番茶について、茶の生産が盛んな5府県での荒茶(製茶前の原料)の生産量を発表した。静岡県の生産量は前年比32%増の1万700トンに上り、鹿児島県の9610トン(同14%増)を上回って、2年ぶりに全国1位に返り咲いた。
前年の低温から回復し首位奪還
一番茶の生産量では、静岡県は1991年の統計開始以来トップを維持してきた。だが、25年は低温で茶の芽の伸びが抑えられ、8120トンに落ち込んだ。8440トンだった鹿児島県に初めて抜かれ、1位の座を明け渡していた。
農水省の担当者によると、静岡県はもともと鹿児島県より茶葉を摘み取る「摘採面積」が広く、生産量で上回りやすい。前年産は静岡県で低温が続き、茶の伸長が抑制されたことが収量減の要因となった。
県は輸出拡大へ構造転換
今年産は両県とも天候に恵まれたため、静岡県は前年の落ち込みから収量が回復し、首位奪還につながった。5府県全体の10アール当たりの生葉収量も571キロとなり、前年を24%上回った。
国内で急須を使ってお茶を飲む習慣が薄れ、リーフ茶の需要が減少するなか、県内では後継者不足などでお茶の生産体制の縮小に直面している。
こうした状況を受け、県は今年、海外への輸出拡大を柱とする「県茶業振興計画」を策定。海外で人気の高い抹茶の原料となる品種への転換や、有機栽培による生産拡大など構造の転換を進めている。
知事「生産者の意欲の成果」
鈴木康友知事は18日、「一番茶の荒茶の生産量が全国1位となったことを大変うれしく思う」と歓迎。「好天に恵まれたことに加え、生産者が意欲を持って生産に取り組んだ成果だ」とし、「引き続き拡大する海外の需要などをとらえ、需要に応じた生産体制の強化を進める」と述べた。



