Z世代の若者の間で、年収500万円を提示されてもブルーカラー職種、特に施工管理職を敬遠する傾向が強まっている。UZUZグループが実施した意識調査によると、就職・転職活動中の457名のうち、施工管理職を「希望しない」と回答した割合は75.7%に上り、「希望する」と答えた者は0%だった。この結果は、建設業界の人手不足が深刻化し、インフラ整備が後回しにされる実態を浮き彫りにしている。
施工管理職の魅力と現実
施工管理職は建設現場のスケジュール管理や品質管理を担う責任者であり、20代で年収500万円を目指せる職業である。しかし、調査では「収入以外の条件も良いなら検討する」が24.3%、「希望しない」が75.7%と、大多数が拒否感を示した。UZUZ COLLEGE代表の川畑翔太郎氏は「Z世代のリアルなキャリア観に衝撃を受けた」とコメントしている。
13年の実務経験を持つ一級建築士の高内めぐみ氏は、現場の人手不足が深刻であると指摘する。「人手が足りないから事業を縮小せざるを得ないという切実な話を聞く。特に地方では『公共事業はあるけど人手が足りないので入札できない』という企業が散見される」と述べ、地域のインフラ整備に影響が出ていると警告する。
インフラ整備が後回しにされるリスク
人手不足により、自治体は限られたリソースで優先順位を決めざるを得ず、インフラ整備が後回しにされるケースが増えている。高内氏は「昨年起きた埼玉県八潮市の道路陥没事故は記憶に新しいが、東京でも首都高の老朽化が指摘されているように、各地でインフラ整備の課題は山積みだ」と語る。
河川の決壊などの災害時には、街を復旧させる人材が不足するリスクも懸念される。建設業界の若者離れが進めば、老朽化したインフラの維持管理が追いつかず、大規模な事故や災害につながる可能性がある。
Z世代の価値観と建設業界の課題
Z世代はワークライフバランスや職場環境を重視する傾向が強く、肉体労働や危険を伴うブルーカラー職種を避ける傾向がある。高内氏は「建設業界は長時間労働や休日出勤が常態化しているイメージがあり、若者が敬遠するのは当然かもしれない」と分析する。業界全体で働き方改革やイメージ改善を進める必要があるが、現状では効果が十分に表れていない。
川畑氏は「IT分野の支援を行う立場として、若者がデスクワークを志向するのは理解できるが、インフラを支える仕事の重要性を再認識する必要がある」と訴える。建設業界の人手不足は、単なる業界の問題ではなく、国民生活の安全や経済活動に直結する課題である。



