サントリーとアサヒ社長、政府の食料品消費減税に反対「2年後に戻せない」
サントリーとアサヒ社長、消費減税に反対

サントリーホールディングスの鳥井信宏社長とアサヒグループホールディングスの勝木敦志社長が、それぞれ朝日新聞のインタビューに応じ、政府が来春に実施する方向で調整している食料品の消費減税について「行うべきでない」と明確に反対の立場を示した。

政府の減税計画と浮上する課題

政府は来年4月から2年間の期限付きで、飲食料品の消費税率を現在の8%から1%に引き下げる計画だ。この案は与野党が参加する社会保障国民会議で議論が進められているが、財源の確保や2年後に税率を元の8%に戻せるのかといった多くの課題が浮き彫りになっている。

鳥井氏は、消費減税について「家計の購買力を一時的に下支えする側面もある」と一定の理解を示しつつ、「社会保障の安定財源を損ない、円安や長期金利の上昇圧力となるおそれがある」と警鐘を鳴らした。その上で、「8%を1%にするのは簡単かもしれないが、1%を8%に戻すのは厳しいと思う」と、税率復元の困難さを疑問視した。

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勝木社長も財政規律を懸念

勝木氏も「税と社会保障の一体改革を進めると言っておきながら、単年度で約4兆円といわれる財源を侵食する懸念は考えざるを得ない。財政規律を保っていけるのか」と否定的な見解を示した。酒類の消費税率は10%のまま据え置かれる一方、飲料と食品は減税対象となるため、「一部商品は追い風になるし、消費者の可処分所得も若干上がる」と認めたものの、「何より2年後に税率を戻すことを考えるとぞっとする。様々な影響を考えると賛成はとてもじゃないけどできない」と強い懸念を表明した。

外食産業への打撃を指摘

両社は多くの飲食店を取引先として抱えており、外食産業への影響についても言及した。鳥井氏は「減税はプラスとマイナスの影響があるが、税率が10%のまま据え置かれる外食産業は利用控えが生じ、マイナスの影響が大きい。ランチ営業は持ち帰り客が増え、利用者が減少するだろう」との見方を示した。勝木氏も「ダメージは当然ある。悪影響を懸念している」と述べ、外食産業への打撃を憂慮した。

キリンホールディングスの見解

キリンホールディングスも同様の懸念を示しており、業界全体として減税案に対する慎重な姿勢が広がっている。政府は財源問題や税率復元の具体策について、引き続き議論を進める必要に迫られている。

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