就職氷河期世代の「くびれ」が生む管理職不足と代償
就職氷河期世代の「くびれ」が生む管理職不足

便器が真っ赤に染まるほどの下血に襲われた33歳の男性は、課長代わりを任されていた。彼は就職氷河期世代の「くびれ」が生んだ組織の歪みの象徴的な犠牲者だ。部長不在で課長の役割を兼任し、さらに現場対応まで強いられるケースは、今や珍しくない。

組織ピラミッドの崩壊

かつてはキャリアを重ねれば順当に昇進し、管理職ポストが埋まるのが慣例だった日本組織のピラミッド構造が崩れている。その要因の一つが、中堅層の絶対的な不足だ。組織の年齢構成に「くびれ」が生じている。

バブル崩壊後の長期不況下で、企業は人件費を抑制し、新入社員の採用を大幅に絞り込んだ。そのため、1993年から2004年に卒業した世代(1970年代~1980年代前半生まれ)は、厳しい就職活動を強いられた。いわゆる「就職氷河期世代」だ。

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就職氷河期世代の現状

文部科学省の「学校基本調査」によると、大学卒業者の1993年~2004年の就職率平均は69.7%で、1985年~2019年の平均80.1%より10ポイント以上低い。高等学校卒業者も70.9%と、平年の78.1%より7ポイント低い。

内閣官房のデータ(2022年時点)によれば、就職氷河期世代の中心層のうち約379万人が非正規雇用で働き、そのうち約39万人が「正規の仕事がないため」の不本意非正規雇用だ。

人口ボリュームと企業内人数のねじれ

この世代は団塊ジュニアと重なり、人口自体は多いが、正社員として入社できた人数は少ない。つまり「世代の人口ボリューム」と「企業内の在籍者数」がねじれており、これが年齢構成の「くびれ」を生んだ。

近年、政府の支援策で非正規から正規に転じる人も増えたが、中途採用や途中から正規になった人は、生え抜きのような「管理職候補としての育成ルート」に乗るのが難しい。結果、管理職ポストが空席になり、現場の負担が増大している。

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