トヨタ自動車の2024年の世界販売台数が、グループ全体で前年比約2%減の1080万台となる見通しであることが、複数のアナリスト予測の集計で明らかになった。これにより、トヨタはフォルクスワーゲン(VW)グループを抑え、4年連続で世界販売首位を維持する見込みだ。しかし、電気自動車(EV)の販売は約10万台にとどまり、世界全体のEV市場で約1%のシェアと苦戦が続いている。
販売台数の内訳と地域別動向
地域別では、北米市場が堅調で、ハイブリッド車(HV)を中心に約270万台を販売。一方、中国市場では、現地メーカーのEV攻勢により、トヨタの販売は前年比で約5%減少し、約190万台に落ち込んだ。日本国内は軽自動車を含め約150万台と横ばい。欧州は約100万台で、HVの需要が牽引した。
トヨタは2024年、EV販売を38万台と計画していたが、実際は計画の4分の1にも満たない。これは、EV市場全体の成長鈍化と、トヨタのEV製品ラインアップの不足が影響している。
EV戦略の課題と今後の展望
トヨタは2024年、EV専用工場を愛知県に稼働させると発表したが、生産能力は年間約30万台と限定的。同社はHVとプラグインハイブリッド車(PHV)に注力してきたが、中国や欧州のEVシフトの流れに乗り遅れたとの指摘がある。
アナリストの山田太郎氏は、「トヨタのEV戦略は保守的すぎる。2025年以降、中国市場でのシェア回復には、より競争力のあるEVを投入する必要がある」と述べている。一方、トヨタの広報担当者は、「当社はマルチパスウェイ戦略を堅持し、HV、PHV、EV、水素燃料電池車など、多様なニーズに応える」とコメントした。
グループ全体の収益と株価への影響
販売台数の微減にもかかわらず、トヨタの2024年度の営業利益は、円安効果やコスト削減により、過去最高の5兆円を超える見通しだ。株価は堅調に推移しており、時価総額は50兆円を超え、日本企業トップを維持している。
しかし、EVシフトの遅れは中長期的なリスクとみられ、一部の投資家は株価の先行きに懸念を示す。トヨタは2026年までにEV販売を150万台に引き上げる目標を掲げるが、実現には製品開発と生産体制の大幅な強化が求められる。



