モーター大手のニデック(旧日本電産)は21日、複数の元取締役に対して裁判を起こすよう求める書面を、1人の個人株主から受け取ったと公表した。この提訴請求は、2023年に発覚した違法配当に関する責任追及を目的としており、今年3月に不正会計問題で同様の請求を行った株主と同一人物であるという。
違法配当の経緯と原因
ニデックは2023年3月期に、1株当たり35円の中間配当や自己株買いを実施したが、事後に会社法で定める分配可能額を超過していたことが判明。同年6月に公表された外部調査委員会の報告書では、担当役職員の知識不足や組織内の連携不足が主な原因と指摘されている。
今回の提訴請求は、当時の経営陣が分配可能額の算定を適切に行わず、違法な配当を実行したことに対する責任を問うもの。株主は、元取締役らが会社に対して損害賠償責任を負うべきだと主張している。
今後の対応と株主代表訴訟の可能性
ニデック側は、今年3月に設置した役員責任調査委員会での検討結果を待って、提訴の可否を判断するとしている。同委員会は、違法配当に関与した役員の法的責任の有無を調査中だ。
仮に会社が提訴を拒否した場合、株主は会社に代わって自ら株主代表訴訟を提起することが可能。このケースでは、個人株主が既に2度の提訴請求を行っており、訴訟に発展する可能性が高いとみられる。
ニデックは、創業者の永守重信氏が長年トップを務め、成長を遂げてきたが、近年は不正会計や違法配当などのガバナンス問題が相次いで表面化。企業統治の見直しが急務となっている。



