三重の中小加工食品メーカー、海外販路拡大へ 商議所や銀行が支援
三重の中小食品メーカー、海外市場に活路

人口減少などによる国内市場の縮小や国外での日本食需要の増大を背景に、三重県内の中小加工食品メーカーが海外への販路拡大に活路を見いだそうとしている。金融機関と経済団体、行政が協力し、地元企業の動きを後押ししている。

商談会で海外バイヤーと直接交渉

四日市商工会議所で22日に開かれた海外バイヤーとの商談会には、県内外から21社が参加。調味料や日本酒などをアジア各国に販売網を持つバイヤーに売り込んだ。商談会は同商工会議所と東海農政局、百五銀行が連携して昨年から開催している。

「伊勢神宮のお膝元で200年続く会社です」。伊勢市のしょうゆ・みそ醸造元の老舗「糀屋」の河村謙吾社長(56)は、自社商品を机に並べながら香港のバイヤーに熱っぽく説明した。同社ではしょうゆやみその他、甘酒やプリンなどを販売しており、コロナ禍以降から本格的に輸出に取り組んできた。海外では国内の3倍程度の価格で購入されることもあるといい、同社の売り上げの約15%が海外市場だ。河村社長は「海外は購買力が高い上、歴史がある『本物』への関心が高い」と手応えを語る。

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海外市場拡大の課題と可能性

百五銀行によると、中小企業が単独で海外市場に参入するには現地のニーズを的確に把握することをはじめ、国ごとに異なる食品表示や規制への対応などハードルは少なくない。元々地域の中小企業は海外業者との接点が少ないことなども輸出する際の壁となっている。同行の担当者は、商談会が海外のバイヤーの意向を直接聞ける貴重な機会となり、自社の課題を整理する場として有効としている。

2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、海外での日本食の需要は年々大きくなっている。農林水産省のまとめによると、海外での日本食レストラン数は13年の約5.5万店から25年には約18.1万店と3倍以上に増加し、海外に目を向ける企業にとっては追い風になっている。

一方、地域ブランドとしての発信には課題もあるという。香港の輸入商社「SAKURAGAWA-HK LIMITED」の張浩賢社長は、「三重の食品は国内で有名でも海外ではこれから。いいものはあるが、海外の消費者が何を重視しているか把握しきれていない面がある」と指摘。商談の場では商品提案を受けるだけでなく、PR方法などメーカー側と情報や意見交換を重ねている。

地元企業の成長と地域経済活性化へ

海外展開に乗り出すことが商品開発や見直しなどのきっかけとなり、企業の更なる成長も期待できる。百五銀行は「地域経済の活性化につながる」とし、地元企業への支援を今後も推し進める考えだ。

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