M&A仲介の罠Ⅶ:日本M&Aセンター、買い手寄りの情報伝達でガイドライン違反か
M&A仲介の罠Ⅶ:日本M&Aセンター、買い手寄りで違反か

M&A仲介最大手の日本M&Aセンターで、新たな不祥事が発覚した。仲介担当者が買い手側と連携して「不適切な買い手リスト」への登録を逃れ、他にも複数の課題を抱えている。売り手側の代理人で、中小企業庁の有識者会議「中小M&A市場の改革に向けた検討会」の委員も務める柴田堅太郎弁護士への取材で、仲介業者の情報伝達に問題があった可能性が浮上した。

売り手側から見た情報伝達の問題

柴田弁護士は、株式譲渡の対象会社(売却された会社)の顧問弁護士から5月に紹介されたと説明。「利益相反を避けるためで、初めは譲渡契約の表明保証違反の相談だった。話を聞くうち、いろんな問題が見えてきた」と経緯を語る。

日本M&Aセンターの売り手側の仲介担当者から、会社の補助金返納の予定について「買い手側が知らなかった」「買い手側が損害賠償を請求するつもりだ」などと告げられたことについては、売り手としては担当者にあらかじめ伝え、仲介作成の企業価値算定書に記されて株式譲渡価格にも織り込まれていたと指摘。「成約までは仲介を挟まずに買い手とやりとりしない決まりで、間に入る仲介業者がすべての情報を握る状態だった。その情報伝達で問題があったのなら仲介業者の責任であって、売り手に責任を押しつけるのは間違っている」と述べた。

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中立・公平の原則とガイドライン違反の疑い

国の中小M&Aガイドラインでは、売り手と買い手の双方から報酬を受け取る仲介業者は「中立・公平」でないといけないと定めている。柴田弁護士は「買い手の主張を一方的にぶつけてくる行為は中立性が阻害され、ガイドラインに背いている」と指摘。日本M&Aセンターでは売り手と買い手の担当者を分けているが、「それでは利益相反を防げない」と述べた。

また、日本M&Aセンターへの通知では、仲介手数料が想定の3倍だったと主張している。柴田弁護士は「報酬が高すぎると批判して」と話し始めたが、詳細は有料記事内で説明されている。

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