ジョーシン高橋社長、関西集中を明言 「街の電器屋」構想で駆け付けサービス拡大へ
ジョーシン社長、関西集中を明言 「街の電器屋」構想で駆け付けサービス拡大へ

関西を地盤とする家電量販大手のジョーシン(Joshin)の高橋徹也社長(63)が、読売新聞のインタビューに応じ、関西に経営資源を集中する方針を明らかにした。業界再編については「家電量販同士で協業する可能性はある」と述べ、他社との提携を選択肢とする考えを示した。一方、経営規模の拡大を目的とした提携には否定的な姿勢を示し、異業種を含め、同社のビジネスモデルの強化につながる協業を検討する方針だ。

ヤマダHDとエディオンの統合への危機感

家電量販業界では、最大手のヤマダホールディングス(HD)と西日本を地盤とするエディオンが6月、2027年10月に経営統合することで基本合意。高橋氏は両社の経営統合に関して「相乗効果で商品の調達力が高まれば、大きな脅威だ」と、顧客が流出することへの危機感を示した。

ヤマダHDとエディオンの売上高を単純合算すると約2兆5000億円となり、ジョーシンの約6倍の規模になる。高橋氏は「正面切って戦えば勝敗は明らかだ。全く違うところで勝負したい」と説明した。

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「街の電器屋」構想と駆け付けサービス拡大

具体的な事業戦略として、高橋氏が打ち出したのが「街の電器屋」構想だ。顧客のテレビや照明がつかなかったり、エアコンや洗濯機が故障したりした際に修理に出向く「駆け付けサービス」を拡大する意向を示し、「お客様との信頼関係を構築して強い顧客基盤を作りたい」と強調した。その上で「全国津々浦々でマーケット(市場)を取ろうとは考えていない」とし、関西に経営資源を集中する方針を明かした。

他社との提携について、高橋氏は「あらゆる選択肢を排除しない」としつつ、自社で不十分な機能の補完を重視する考えを示した。高橋氏は家電の配送やリフォームを例示し、「そのような分野を取り込むためのM&A(企業の合併・買収)は考えている」と説明。「生き残りのため、企業価値を高めたい」と述べた。

不採算店舗の撤退と今後の業界再編

戦後まもなく大阪・日本橋で創業したジョーシンは、ニノミヤ、マツヤデンキなど日本橋を拠点とした競合店が経営破綻や他社に吸収される中で、単独経営を維持してきた。26年3月期の売上高は業界7位の4366億円で、関西を中心に約220店舗を展開する。

国内の家電市場は少子高齢化を背景に、伸び悩む。小型家電を扱う家具店やホームセンターなどが増え、異業種との競争も激しい。ジョーシンは28年3月期までに不採算店舗を最大で15店撤退する方針で、経営体質の強化を図る。

ヤマダHDとエディオンの経営統合は、12年にヤマダHDがベスト電器、ビックカメラがコジマを傘下におさめて以来の業界再編となる。ヤマダHDとエディオンは統合効果をいかし、割安のプライベートブランド(PB)を共同開発する方針で、家電を販売するだけではない「製造小売り」の道を歩もうとしている。

この経営統合をジョーシンの高橋徹也社長が「脅威」とみなす中、同社が経営規模の拡大をあえて追求しない戦略を維持できるかどうかは、今後の業界再編の行方を占うことになる。

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