福島銀行に送り込まれたSBI出身エリートの使命 預金流出・有価証券含み損に苦しむ地銀を導く生き残り戦略
福島銀行に送り込まれたSBI出身エリートの使命 預金流出・含み損に挑む

福島銀行は今年度、直前までSBI新生銀行専務だった森田俊平氏を取締役副社長として迎え入れた。2019年に資本業務提携を結び、SBIグループの持ち分法適用会社である同行には、これまで社外取締役が派遣されてきた。今年度から常勤の取締役が派遣され、さらにグループ内の株式譲渡によってSBI新生銀行の持ち分法適用会社となったことで、SBIによる経営への関与が一段と深まった。

預金減少や有価証券含み損の拡大など課題が山積する同行で、森田氏は6月23日の株主総会を経て正式に取締役副社長に就任。東洋経済の取材に応じ、今後の戦略を語った。

副社長就任の経緯と課題認識

「どのような経緯で福島銀行の副社長に就任されたのでしょうか」との質問に、森田氏は次のように答えた。『福島銀行の社外役員が交代するタイミングで、鈴木岳伯社長より「SBIから役員が派遣されて来るなら森田さんが一番いい」と指名をいただいた。私自身もSBI新生銀行にいて、公的資金の返済や上場といった区切りがついたタイミングだったので、次の挑戦として良い機会だと思った。』

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福島銀行の現状について、森田氏は「もったいない状況」だと指摘する。『一人ひとりは真面目に働き、能力もそれなりにある。しかし全体として、それが良い方向に結束できていない。それぞれの部署の人たちが部分最適で頑張っている。例えば、対面営業と非対面営業で整合性が取れていないことがあった。営業店で「この商品は対面限定で売るぞ」と言いながら、実は非対面でも買えるようになっていた。また、キャンペーンなどで新規預金の獲得を頑張っているのに、既存の預金を流出させない策を講じていない。そのため高金利の預金が入ってくる一方で、低金利の預金が流出してしまう。結果として預金残高は拡大せず、コストだけが増えている状態だった。』

預金戦略の方向性

東洋経済の26年3月期決算の集計では、地銀全95行のうち福島銀行の預金減少率が最も高くなっている。これについて森田氏は『3月末は公金預金の金利が跳ね上がるため、戦略的に割り切って公金預金を取りに行かなかった。その分を法人や個人の預金でカバーできればよかったが、全体としての方針が明確になっていなかった。私が就任してまず取り組んだのが、「福島銀行として、こういう方針でいこう」というコンセンサスを作ることだ。私の個人的な意見というより、みんなが「やっぱりそうだよね」と納得できる方向に持っていきたい。』と述べた。

預金戦略の方針について、「島根銀行のスマホ支店「しまホ!」のように全国から預金を集める施策の展開ですか」と問われたが、以降の回答は有料会員限定となっている。

森田俊平氏は1974年生まれ。1998年ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社。2009年SBIホールディングス取締役、2011年同社CFO、2020年SBI地銀ホールディングス代表取締役、2025年SBI新生銀行専務などを経て、2026年6月より現職。

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