ANA、北海道に運航管理拠点「ノーザンオペレーションズサテライト」本格稼働 約60人体制で羽田一極集中を分散
ANA、北海道に運航管理拠点開設 約60人体制で一極集中分散

全日本空輸(ANA)は航空機の運航管理業務などを担う拠点「ANAノーザンオペレーションズサテライト」を北海道内に開設し、7月から本格稼働を開始した。同社が見直していた事業継続計画(BCP)の一環で、東京・羽田空港に集約していた運航の司令塔拠点を分散。首都圏が大規模災害やテロなどで被災した際の事業継続拠点として活用し、航空インフラの維持を図る。

拠点の概要と役割

新拠点は約60人体制で、運航管理者を配置して運航管理業務を行うほか、客室乗務員・パイロットの勤務管理、整備統括部門の業務を担う。羽田の拠点が被災した際には道内からの運航体制維持を目指す。平時は小型機を中心に、道内を含む国内便の約3割の運航管理を行い、国際線の飛行計画作成の業務も約6~7割を担当する。

オフィス内には羽田の拠点とオンラインで結ぶ大型モニターなどを設置。画面越しに相手と目線を合わせることもでき、2拠点間で迅速な意思疎通が図れるようにした。

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オールハザード型BCPの導入

同社は従来のBCPを見直し、首都直下地震や南海トラフ地震など大地震だけでなく、火災や武力攻撃、テロなど事業停止の恐れがあるあらゆる有事に対応した「オールハザード型BCP」の導入を進めていた。首都圏と距離があり同時被災のリスクが少ないことなどから、北海道が拠点に選ばれた。保安上の理由から詳しい場所は公表していない。

新拠点は、冬の降雪時などでも現地の状況を確認しながら的確な運航の判断ができるという期待もある。担当者は「有事の際に代替拠点として運航ができるよう、平時から日々の体制を万全にしていきたい」と話している。

北海道企業のBCP意識

帝国データバンクが6月に発表したBCPに関する企業意識調査によると、BCP策定意向がある企業の割合は、北海道では45%と、全国平均より5ポイント以上低かった。道内は他地域より災害が比較的少ないとされ、防災意識の低さに起因するとみられる。小規模な企業ほど、策定のための人手の不足や、策定による実効性への疑問を感じているという。同社札幌支店によると、道内企業の策定率は、大企業で32.4%、中小企業で16.6%だった。

企業のBCP・危機管理に詳しい北海道大北極域研究センターの加藤知愛研究員は「災害のみならず有事に備える観点から、ANAの道内新拠点は、多くの業界で一極集中するシステムの地方分散化につながる可能性がある」と期待感を示した。

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