秋サケが深刻な不漁となっている。2026年8月1日から9月30日までの全国のサケ来遊数は前年同期比で約3割減り、平成元年(1989年)以降で最も少なくなった。価格も高騰しており、サケやイクラを扱う鮮魚店や飲食店は対応に追われている。
来遊数は前年比32%減、過去最少
水産研究・教育機構によると、8月1日~9月30日の沿岸漁獲数と河川捕獲数を合わせたサケ来遊数は全国で239万匹と、前年同期の353万匹から約32%減少した。9月に東京都の豊洲市場で取引された北海道産サケの数量も約13万キロ・グラムと昨年と比べて半分程度となっている。
海水温の上昇などが影響したとみられ、北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場は、北海道の今シーズンの来遊数を364万匹と予測。不漁だった昨年の686万匹から半分程度に落ち込む見通しだ。北海道は全国の来遊数の9割以上を占めるだけに影響は大きい。
イクラ卸値は2倍、ロシア産に切り替えも
海産物の卸・小売りを手がける丸茂商店(東京都台東区)の古川賢治社長は「高すぎて売れ残るリスクが大きいため、一本物のサケの仕入れをちゅうちょしている」と話す。北海道産の一本物のサケは贈答用のニーズがあるため、冬場にかけて店頭に並べているが、仕入れ価格が昨年より4割ほど上昇し、仕入れに踏み切れない状況だ。国産イクラも卸値が1キロあたり3万~4万円と前年の2倍となり、今はロシア産を販売している。
飲食店やおせちにも影響広がる
東京都世田谷区の海鮮料理店「根室食堂」では一部メニューで使う北海道産のサケをチリ産に切り替えた。店長の平山徳治さんは「こんなに入ってこないのは初めて。苦肉の策だが仕方ない」と話す。
百貨店大手松屋銀座が扱う来年のおせちの一部では、国産のイクラにこだわり値上げするものや、海外産のイクラに変更するものがあるという。
同試験場の藤原真・さけます資源部長は「このままだと来年以降もかなり厳しい。来春の稚魚の放流では時期を変更するなど対策が必要だ」と指摘している。