重慶の超高層ビル、着工14年で未完成 中国経済「K字形」鮮明に
重慶の超高層ビル、着工14年で未完成 中国経済「K字形」鮮明

中国・重慶市の中心部に、完成すれば市で最も高くなる予定の超高層ビルが、着工から14年経っても未完成のまま取り残されている。建設現場は閉鎖され、工事関係者の姿はない。

「470メートル」の計画、工事は3~4年停止

建設現場の壁に描かれた完成予定図は色あせているが、「470メートル」の文字が確認できる。隣の商業施設で働く男性職員(32)は「1年前にここで働き始めてから工事が動いているところを見たことがない。先輩職員の話では3~4年ほど止まっているようだ」と話した。

資金難で頓挫、融創中国も経営悪化

開発を担う企業や重慶市政府などの資料によると、このビルの建設プロジェクトは、不動産開発ブームが全国に広がった2012年に地元の不動産開発企業によって始まった。その後、資金難で工事が頓挫すると、2017年に不動産大手「融創中国」が経営に参画。工事は再び動き出したが、不動産不況が本格化した2022年、今度は融創中国の資金繰りの悪化で工事は再び中断した。

融創グループの債務不履行を受け、今年7月には、この土地の使用権や建設途中のビルは強制競売にかけられた。だが、買い手は現れず、工事は今も止まっている。

GDP成長率4.5%、ハイテク産業との二極化鮮明

19日発表の中国の7~9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は4.5%と、1~3月期の5.0%をピークに勢いを欠いた状況が続く。人工知能(AI)や人型ロボットといったハイテク産業が勢いを増す一方、長引く不動産不況からは抜け出せないまま。業種ごとに景況感が二極化する「K字形」と呼ばれる中国経済の構図が鮮明になっている。

着工から14年経っても完成の見通しは立っていない。