中国の電気自動車(EV)用電池最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)の2024年12月期決算は、売上高が前年比約10%減の約3660億元(約7兆5000億円)、純利益が約5%減の約500億元(約1兆円)となり、減収減益に転じた。同社が減収を記録するのは上場以来初めてとなる。
EV市場の減速と価格競争が直撃
CATLの業績悪化の背景には、世界的なEV販売の伸び悩みがある。中国市場では2024年のEV販売台数が前年比で約25%増と堅調だったものの、競合他社の台頭や電池価格の下落が同社の収益を圧迫した。特に、中国国内の電池メーカー間での価格競争が激化し、CATLの電池セル価格は前年比で約15%下落したとみられる。
また、海外市場では欧州や米国でのEV補助金縮小や関税引き上げの影響が顕在化。CATLの海外売上高は前年比で約12%減少し、総売上高に占める海外比率も約30%から約25%に低下した。
投資と研究開発は継続
減収減益にもかかわらず、CATLは研究開発費を前年比約8%増の約200億元に拡大。次世代電池技術である「ナトリウムイオン電池」や「全固体電池」の実用化に向けた投資を継続している。同社の広報担当者は「長期的な競争力を維持するため、技術開発への投資を惜しまない」とコメントした。
また、同社は2024年にハンガリーやインドネシアでの新工場建設を開始。欧州や東南アジアでの現地生産体制を強化することで、地政学的リスクの分散とコスト削減を図る方針だ。
業績見通しと今後の課題
2025年については、中国市場でのEV販売が引き続き成長する一方、価格競争の激化や原材料価格の変動が不透明要因として残る。アナリストからは「CATLの技術力と規模の優位性は揺るがないが、短期的には利益率の低下が続く可能性がある」との指摘が出ている。
同社は2025年3月に開催した投資家向け説明会で、2025年の売上高目標を前年比5%増の約3840億元と設定。利益率の改善に向けて、高付加価値製品の拡販とコスト削減を推進する方針を示した。



