新型コロナ後遺症で経済損失3.7兆ドル、WHO推計
新型コロナ後遺症で経済損失3.7兆ドル WHO推計

WHOが警告、ロングCOVIDの経済的打撃

世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症の後遺症、いわゆる「ロングCOVID」が世界経済に甚大な影響を及ぼしていると警告した。新たな推計によれば、2024年までの累計で約3.7兆ドル(約550兆円)の経済損失が生じる可能性があるという。この数字は、パンデミックによる直接的な経済活動の停止に加え、後遺症による労働力減少が長期的な成長を阻害することを示している。

生産年齢人口の労働参加率低下が主因

WHOの報告書は、ロングCOVIDが特に生産年齢人口(15~64歳)の労働参加率を低下させていると指摘。症状が長引くことで、就労が困難になるケースが多く、結果として世界のGDPが押し下げられている。具体的には、2020年から2024年にかけて、後遺症による労働参加率の低下が年間約0.5%のGDP減少につながると試算。これは、パンデミック前のトレンドから大きく乖離する数字だ。

また、医療費の増大も経済負担を重くしている。後遺症患者は呼吸器系や神経系の症状に悩まされることが多く、継続的な治療やリハビリが必要となる。WHOは「各国の医療システムに長期的なストレスがかかっている」と警鐘を鳴らす。

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地域差と対策の必要性

経済損失の規模は地域によって異なり、低所得国ほどGDP比で大きな打撃を受ける傾向にある。WHOのテドロス・アダノム事務局長は「ロングCOVIDは見過ごせない危機だ。早期の診断と治療へのアクセス改善が急務」と述べている。また、ワクチン接種や感染予防策の徹底が後遺症リスクを低減する可能性も示唆され、公衆衛生対策の重要性が改めて浮き彫りとなった。

報告書は、各国政府に対し、後遺症患者への支援拡大とともに、長期的な経済影響を緩和するための政策立案を求めている。例えば、柔軟な勤務形態の導入や障害者手当の適用拡大などが検討課題として挙げられている。

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