タイの首相は12日、2025年の経済成長率予測を従来の3.5%から2.5%に引き下げると発表した。世界的な需要減退による輸出の低迷と、国内の政治的不確実性が主な理由だと説明した。
輸出低迷が直撃
タイ経済は輸出に大きく依存しており、世界経済の減速で主要貿易相手国からの需要が落ち込んでいる。特に電子部品や自動車部品の輸出が減少している。財務省の統計によると、2024年の輸出は前年比2%減少した。
首相は「世界経済の不透明感が強まっており、輸出の回復には時間がかかる」と述べ、政府として輸出促進策を強化する方針を示した。
政治的不確実性も重荷
国内では長期化する政治的な混乱が投資家心理を冷やしている。昨年の総選挙後、連立政権の枠組みを巡る対立が続いており、経済政策の実行に遅れが生じている。首相は「政治的な安定が経済成長には不可欠だ」と強調した。
中央銀行は政策金利を据え置いているが、経済減速を受けて利下げ圧力が高まっている。民間エコノミストからは「年内に利下げが行われる可能性が高い」との見方が出ている。
追加刺激策を検討
政府は今回の下方修正を受け、追加の景気刺激策を検討している。具体的には、低所得者層への現金給付や中小企業向け融資の拡大などが候補に挙がっている。首相は「経済の下支えのために必要な措置を講じる」と述べた。
一方、観光業は回復傾向にあり、2024年の外国人観光客数は前年比20%増の3500万人に達した。政府は2025年に4000万人の目標を掲げているが、全体の経済成長を牽引するには至っていない。
国際通貨基金(IMF)もタイの成長見通しを下方修正しており、地域経済の減速が懸念されている。首相は「東南アジア全体の連携を強化し、域内貿易の拡大を図る」と述べた。



