実質賃金8カ月連続プラスも実感は「まだら」、その背景を解説
実質賃金8カ月連続プラスも実感は「まだら」、背景を解説

実質賃金の上昇が続いている。厚生労働省の毎月勤労統計調査で約10年ぶりに8カ月連続のプラスとなったが、消費者の実感はまだら模様。実質賃金のプラスを実感しにくいとの指摘もある。なぜなのか。

好業績で賃上げ広がるも、実感は「まだら」

半導体製造装置などを手がけるメーカーに勤める東京都内の50代男性は今年、給料が2回上がった。製品の需要が伸び、営業利益が3年連続で過去最高となった。

子どもはおらず、妻と2人暮らし。マンションの住宅ローンは変動金利のため、月々の支払いが増えたが、妻の賃上げもあって家計はプラスという。「安泰な状況が続くかどうかは、今後の経済環境次第だ」と話す。

賃上げ企業は83.2%、前年度を1.2ポイント上回る

好調な企業業績などを背景に賃上げの動きは広がっている。東京商工リサーチによると、2026年度に賃上げをした企業は83.2%で、前年度を1.2ポイント上回った。

政府は、コロナ禍後の日本経済は「緩やかな回復を続けている」との見方を示す。景気回復が続いているとされ、26年7月以降も続けば「戦後最長」となる。

「景気回復」実感しにくいのはなぜ?

実質賃金の高まりや景気回復が続く一方で、その実感が乏しい理由について、業種や中間層の状況に焦点を当てて考察する。