政府は21日、高市早苗政権が掲げるAI(人工知能)や半導体など戦略17分野への資金供給を促進する「成長を促進するための金融戦略」(新金融戦略)を正式に発表した。銀行の投融資規制の緩和やガバナンス改革が柱となり、企業の中長期的な成長を促し、家計や年金を通じて国民が成長の果実を得られるようにする仕組みを盛り込んだ。
家計金融資産の構成目標を設定
新戦略では、家計の金融資産に占める株式、投資信託、債券の割合を2025年3月末の約23%から2040年までに40%に引き上げる目標を掲げた。これにより、国民の資産形成を促進し、成長資金の循環を強化する狙いがある。
高市政権はAI、半導体、創薬・先端医療、コンテンツなどの将来成長分野への投資拡大を目指しており、これらの分野は巨額かつ長期の資金が必要となる。そのため、銀行が資金を供給しやすい環境整備が喫緊の課題となっている。
銀行の投融資規制緩和の具体策
金融庁は、銀行の投融資規制を緩和し、巨額のM&Aや長期プロジェクトへの資金供給を容易にする方針だ。具体的には、銀行が企業の株式を保有する際のリスクウェイトや、大口融資の制限を見直すことが検討されている。また、ガバナンス改革として、企業の取締役会の独立性強化や株主提案権の厳格化なども含まれる。
自民党は、アクティビスト(物言う株主)による過度な干渉を防ぐため、株主提案権の厳格化を求めており、会社法の見直し案にも反映される見通しだ。
成長マネー供給に向けた課題
新戦略の実現には、銀行のリスクテイク能力向上とともに、企業側のガバナンス強化が不可欠とされる。政府は、これらの施策を通じて、日本の金融システムが成長分野に積極的に関与するよう促す。
一方で、家計の金融資産構成を変えるには、投資教育の充実やNISA(少額投資非課税制度)の拡充なども必要であり、今後の具体的な政策が注目される。



