与野党が参加する社会保障国民会議で、2年間限定で食料品の消費税率を8%から1%に下げる案が議論されている。実現すればスーパー業界への追い風になる可能性があるが、傘下に「関西スーパー」「イズミヤ」などを抱えるエイチ・ツー・オーリテイリングの荒木直也社長は「2年はあまりに短い」と指摘する。
インフレ長期化で消費者の生活防衛意識が強まる
物価高や円安などの影響で、スーパー業界の競争が激化している。荒木社長は「ロシアのウクライナ侵攻以降、継続的にインフレが続いている。今までは賃上げも順調で、お客さんも食品の価格転嫁にある程度ついてきてくれていた。ただ、昨年末ごろから風向きが変わり、低価格を志向する生活防衛意識が強まってきた。さすがにインフレ疲れが出てきたのでしょう」と語る。
関西圏への新規参入と他業態との競合
足元ではオーケーが出店を進めるなど、他地域から関西に進出する動きもある。荒木社長は「関西圏はもともと中間プライスでの品ぞろえが売りのスーパーが多かったが、最近は圏外からロピアやオーケーなども参入し、低価格の買い場の選択肢が増えてきている」と説明。さらに「ドラッグストアやホームセンターなどの他業態も生鮮食品や日用品を売るようになった。そういうところは収益性を度外視した『食品の安さ』で集客し、本業でもうける構造なので価格ではどうしても負けてしまうところがある」と指摘する。
対応策は店舗の二極化
これだけインフレが長期化すると、消費者は店を使い分けるようになる。そのため、傘下の関西フードマーケットでも価格志向に応える店と価値で売っていく店との二極化を進めている。2025年から価格訴求型の「デイリーマート」と価値訴求型の「マルシェ」の2タイプに店舗を順次転換しており、今年は33店舗を転換・開店する計画だ。
消費者の「生活防衛意識」が続くかについては、世界情勢の先行き不透明さを挙げている。



