耕作放棄地は「耕作困難地」に呼称変更を 財務省が財政制度等審議会で提言
耕作放棄地は「耕作困難地」に呼称変更を 財務省が提言

財務省は16日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、耕作放棄地は「耕作困難地」と呼ぶべきだとの見解を示した。「放棄地」では再生できる印象が強いが、実際には山間地などで再生が難しい農地が少なくないためだ。全ての農地を再生させる前提を捨て、予算の効率化を図る狙いがある。

全国の耕作放棄地は42.3万ヘクタール

全国の耕作放棄地は、埼玉県や富山県の面積に匹敵する42.3万ヘクタール(2015年調査)と膨大だ。ただ、ひとくくりに耕作放棄地といっても実態はさまざまで、担い手不足によるものや、山間地で耕作条件が悪いもの、面積が小さく生産性の低さから放置されているものも少なくない。

農地の区分と予算の効率化

財務省は「農業労働力人口が減少し、全ての農地を維持することが現実的ではない」と指摘。集約化で活用すべき農地や、林地への転換を検討すべき農地などに区分し、「それぞれの農地の困難性に応じた対策を講じるべきだ」と主張した。

26年度予算では「農地耕作条件改善事業」(203億円)、「農山漁村振興交付金」(70億円)の一部が農地再生にあてられている。

「荒廃農地」との表現の違い

耕作放棄地は農家の申告に基づく主観的な要素があるため、現在は農林水産省の統計など政府の文書では、より客観的な表現である「荒廃農地」という言葉が使われている。財務省は、実際には再生が難しい農地までが支援対象となる事態を問題視し、将来にわたり活用できる農地に対象を絞りたい考えだ。