生活必需品の値上がりが続き、収入の少ない世帯は厳しいくらしを強いられている。食料品にかかる消費税の減税は、くらし向きの改善につながるのか。こどもの貧困対策にとりくむ公益財団法人「あすのば」の小河光治・代表理事に聞いた。
「めちゃくちゃダメージが大きい」物価高の影響
物価高が続くなか、困窮する子育て世帯への影響について、小河氏は「毎月のように必需品が値上がりするので、めちゃくちゃダメージが大きい。コロナ禍後は経済が回復し、くらし向きもよくなると思っていましたが、逆でした。どんどん悪くなる印象です」と語る。
支援先への調査では、トイレの水を家族分ためてまとめて流すという家庭もあったという。水道代の節約のためだ。毎日は入浴しない小中学生も3割いたとし、「これだけ夏が暑くなっているのに……。憲法で保障された生存権が脅かされています」と訴える。
賃上げの実感なく「1年ぐらい買えていない」人も
働く人の賃上げが進んでいるといわれることについては、「実感はありません。最低賃金は上がっていますが、それ以上に必需品の値段が高くなり、手が届かなくなるものも出ている。コメが高騰していたときは『1年ぐらい買えていない』という人もいました」と話す。
減税の効果は「限定的」 高級食材を買う世帯ほど恩恵
政府が来春に食料品の消費税率を8%から1%に下げる方針であることについては、「瞬間的には、くらしが楽になったと思えるかもしれない。しかし、物価上昇のペースを考えると、ほどなくして値段が減税前の水準に戻り、さらに上がる可能性も高い。効果は限定的と考えざるをえません」と指摘する。
その上で、「高級食材を買ったほうが、節約して安い食材を選ぶ世帯より減税の恩恵が大きいのも問題です」と述べ、幅広い層に恩恵が及ぶことについて「格差の是正につながらない」と疑問を呈した。