なぜ15日にセールが多いのか?シニアの懐を狙う小売各社の戦略
なぜ15日にセールが多いのか シニア狙う小売各社の戦略

多くのドラッグストアやスーパーで、毎月15日前後にシニア向けのセールが展開されている。割引やポイント還元の拡充など、各社が競ってシニア層の需要を取り込もうとしている。その背景には、公的年金の支給日が偶数月の15日であることがある。

ツルハドラッグ「シニア感謝デー」の狙い

北海道発祥のツルハドラッグは、2011年2月から60歳以上を対象に、偶数月の15~17日を「シニア感謝デー」とし、ポイントカード提示で5%の割引を提供してきた。ツルハホールディングスは「公的年金支給日が偶数月15日のため、シニア層のまとめ買い需要が高まるタイミングに合わせた。1日限定だと店舗や駐車場の混雑を招くので、3日間にしている」と説明している。12年10月からは奇数月も含めた毎月に拡充された。

厚生労働省の統計によると、公的年金を受け取る人は4千万人弱で、年間50兆円ほどが支給されている。単純計算すると、偶数月に8兆円ほどが受給者に行き渡ることになる。

他社も追随するシニア向けセール

ウエルシア薬局は、毎月20日のポイント利用でお得に買い物できる「ウエル活」が人気だが、15~16日を「シニアズデー」として14年から設定している。スギ薬局も15~17日を60歳以上のセール日にしている。

スーパーではイオンの「G.G感謝デー」が15日で、55歳以上はイオンカードの支払いなどで5%引きとなる。G.Gとは「Grand Generation」の略で、放送作家・脚本家の小山薫堂さんが提唱した考え方だ。イオンは12年から、子育てを終えて自分の時間を持てる人が多い55歳以上を、ファミリーと並ぶ顧客層の核の一つと位置づけている。

イトーヨーカドーも、毎月8・18・28日のハッピーデーに加え、60歳以上を対象に15・25日をシニアナナコデーとしている。

異なる戦略をとるマツモトキヨシ

一方、マツモトキヨシは1・2日を化粧品感謝デーとするが、他のドラッグストアのような幅広い商品を対象とした共通の特売日は設けていない。運営会社は「一人ひとりの顧客に最適なお得情報を、アプリから配信している」としている。

小売各社は、増加するシニア世帯を重要な顧客層と位置づけ、年金支給日に合わせた販売促進策を展開している。こうした取り組みは、今後もシニア層の消費行動に影響を与え続けるとみられる。