台風15号による豪雨で、千葉県内の農地で冠水被害が広がっている。稲刈りを延期したり、農機具が浸水で使えなくなったりした農家もあり、県は被害の実態調査を進め、支援策を検討する考えだ。
稲刈り延期や農機具の水没
茂原市の農事組合法人「七渡営農組合」の加藤正明さん(75)は「今年はコメの生育が良かっただけに収穫への影響が心配だ」と肩を落とす。大雨で水田が冠水し、機械を入れての作業が困難となり、18日に予定していた稲刈りを延期した。稲刈りまでの時期が長引けばコメの等級が落ちる可能性もあるため、気をもんでいる。畑に植える予定だったブロッコリーの苗や、ビニールハウス内で収穫間近のキュウリも水につかった。
11日に茨城県に上陸した台風15号に備えてビニールハウスを補強していたが、今回の豪雨は予想できず、対策が取れなかったという。
落花生農園で約3割が出荷不能に
千葉県は国産落花生の約8割を生産する。千葉市緑区の落花生農家、梅津裕一さん(38)が代表を務める「あんばい農園」は、約3ヘクタールの畑で約10トンの落花生を栽培していた。収穫まで3週間だったが、豪雨で流された土が苗の上に約60センチ積もり、3割ほどが出荷できない状態になった。トラクターなどの農作業機械も水没し、被害額は計約600万円相当になるという。
18日は農園スタッフらとスコップや重機を使い、畑に積もった土を取り除く作業に追われた。梅津さんは「早く畑を元通りにし、おいしい落花生をお客さんに届けたい」と話す。
県内の被害状況と今後の対応
千葉県は農業産出額(2024年)が4533億円と全国4位の「農業県」。県農林水産政策課によると、17日正午時点で少なくとも計約580ヘクタールの農地が冠水した。このうち、落花生は千葉市や八街市などで2.45ヘクタール、全国有数の生産量を誇るニンジンは約20ヘクタール。7月中旬に種まきが始まる「夏まきニンジン」の種が大雨で流れ出る被害も確認されている。また、八街市では養鶏農家が浸水し、ブロイラー約2万8000羽が死んだ。
県の担当者は「早期に被害状況を把握し、被災農家に向けて必要な支援策を講じたい」と話している。鈴木農相は19日に千葉市若葉区と八街市で農業被害の状況を視察し、「来年の作付けに間に合うよう、今後取り組んでいきたい」と述べた。



