日経平均株価が史上最高値を更新し、日本株への関心が高まっている。市場関係者の間では「日本株はまだ上がる」との見方も出ているが、その根拠はどこにあるのか。本記事では、日本株の上昇が続くと考えられる3つの理由を整理する。
企業の稼ぐ力が向上している
第一の理由は、上場企業の収益力が改善している点だ。東証プライム市場の上場企業の2024年3月期の純利益は、前期比で約2割増加し、過去最高を更新した。特に、製造業を中心に円安の追い風を受けた輸出関連企業の業績が好調で、全体の収益を押し上げている。
また、企業は株主還元にも積極的だ。自社株買いの発表額は2024年に過去最高を更新し、配当総額も増加傾向にある。こうした株主還元の強化は、投資家の日本株離れを防ぎ、株価の下支えにつながっている。
資本効率の改善が進む
第二の理由は、東京証券取引所が推進する資本効率の改善だ。東証は2023年3月に、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る上場企業に対して、改善策の開示を求める要請を出した。この動きを受けて、多くの企業が自社の資本コストを意識した経営へと舵を切り始めている。
実際、PBR1倍割れの企業の割合は、2023年以降減少傾向にある。不要な資産の圧縮や、事業ポートフォリオの見直しなど、企業の資本効率を高める取り組みが、中長期的な株価上昇につながると期待されている。
海外マネーの流入が続く
第三の理由は、海外投資家による日本株への資金流入だ。2024年に入り、海外投資家は日本株を大幅に買い越している。背景には、中国経済の減速や、地政学リスクの高まりを受けて、アジアの投資先として日本が見直されていることがある。
さらに、日本銀行による金融緩和策が長期化する中で、円安が進行しやすい環境が続いている。円安は輸出企業の業績を押し上げるだけでなく、外貨建てで運用する海外投資家にとっては、円建て資産の価値が割安に見えるため、日本株への資金流入を後押ししている。
これらの要因に加えて、経済産業省が進める貯蓄から投資への流れを促す政策も、日本株の需給を改善させる要因となる。新たな少額投資非課税制度(NISA)の開始により、個人投資家による日本株投資も増加しており、市場の厚みが増している。こうした構造的な変化が、日本株の上昇基調を支えるとみられている。



