21日の東京株式市場で、日経平均株価が急落し、終値は前日比832円安の3万7560円となった。米国景気の減速懸念と円高の進行が重なり、輸出関連株を中心に幅広い銘柄に売りが広がった。東証プライム市場の売買代金は概算で5兆円を超え、活況を呈した。
米国経済指標の悪化が引き金に
前日の米国市場で発表された経済指標が市場予想を下回ったことが、売りの引き金となった。特に、製造業景況感指数が市場予想を大幅に下回り、景気減速懸念が強まった。これを受けてニューヨークダウは下落。東京市場でも朝方から売りが先行した。
さらに、外国為替市場で円高が進行したことも、輸出企業の収益悪化懸念を招いた。ドル円相場は1ドル=139円台と、前日から2円以上円高に振れた。自動車や電機など輸出関連株は軒並み下落し、トヨタ自動車は3%超の下落となった。
市場では追加利上げ観測も
市場では、日銀の追加利上げ観測も円高要因として指摘されている。日銀の植田和男総裁は先週、物価上昇が続く場合には追加利上げも辞さない姿勢を示しており、市場では年内の追加利上げが織り込まれつつある。
一方、米国では連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退しており、日米金利差の縮小が円高を加速させているとの見方もある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニアストラテジストは「米国景気が減速する中で日銀が利上げを進めれば、円高がさらに進む可能性がある」と指摘する。
幅広い業種で下落、安心感は薄い
東証プライム市場の業種別株価指数は33業種中30業種が下落。特に、電気機器、輸送用機器、機械などの輸出関連業種の下落が目立った。一方、内需関連の医薬品や食品は比較的底堅く推移した。
市場関係者の間では、この日の下落は外部環境の悪化によるものであり、日本企業のファンダメンタルズが悪化したわけではないとの声がある。しかし、米国景気の先行き不透明感や円高の進行が続けば、追加の下落リスクもあるとみられている。
今後の焦点は、今週末に開催される主要国中央銀行総裁会議(ジャクソンホール会議)でのパウエルFRB議長の発言や、来週発表される米国の雇用統計の結果だ。市場では、これらの結果次第で相場が大きく動く可能性があるとの警戒感が広がっている。



