高齢者が集まる「家賃半額の若者同居」アパートの秘密:見守りではなく友達関係が鍵
高齢者と若者が共生するアパートのからくり

現代的な外観が目を引く「ノビシロハウス」は、高齢者と若者が同居するシェアアパートだ。入居者は家賃が半額になる代わりに、高齢者との交流が求められる。このユニークな取り組みが全国から高齢者を集めている。

「見守り」ではなく「友達」関係を重視

運営会社株式会社BAKERUの鮎川氏は、ソーシャルワーカーの役割を「見守り」と表現することに違和感を覚えるという。「『見守ってください』『安否確認してください』と言われたら、それは負担になります。毎日『今日は見かけなかったけど大丈夫かな』と心配しなければなりません。でも私たちのリクエストは『お友だちになってね』『仲良くなってね』ということだけなんです」と語る。

友だちなら、たまたま会わない日があっても、それは単なる「留守」であり、心配する義務はない。しかし友だちだからこそ、何かあったときには自然に気づく。この関係性が持続可能な共生の鍵となっている。

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お茶会から生まれる思いがけない交流

実際に、お茶会からは思いがけない交流が生まれている。ソーシャルワーカーの20代男性は「お茶会でバンドをやっていると話したら、音楽好きのおばあちゃんがいて。80代の友人とカラオケを楽しむ日が来るとは、自分でも驚きです」と語る。

ノビシロハウスの高齢者の部屋にはIoTセンサーも導入されており、室内の動きを検知し、一定時間動きがなければアラートが出る仕組みだ。ただしその役割は「最後の砦」と位置づけられている。

鮎川氏は「センサーは孤独死を防ぐためのもの。でも日常のなかで『あれ。◯◯さん、ちょっと元気がないな』と気づけるのは、親しい人間関係があってこそ。役割はまったく違います」と説明する。

共生を成立させるためのルール設計

ノビシロハウスは入居者の年齢や介護度は問わない。ただし、入居希望者には必ずお茶会への見学・参加を求めている。既存の入居者や運営方針との相性を事前に確認し、合わないと判断すればお断りすることもあるという。

「人との交流が苦手な方は、そもそも問い合わせの段階でいらっしゃいません。それが大前提です。ノビシロハウスに関心を持って来てくださる方は、人と関わることが好きな方がほとんどですね」と鮎川氏は語る。

カフェのすぐ脇にはコインランドリーも設置されており、入居者同士が自然に集まる空間がデザインされている。このような仕掛けが、日常的な交流を促進している。

ノビシロハウスは都市部に限らず、一定の立地条件を満たせば展開可能とされており、今後の拡大が期待される。共生の新しい形として、高齢化社会の課題解決に一石を投じている。

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