電力広域的運営推進機関は、需給調整市場に関する制度改正の影響把握を目的にアンケート調査を実施した。その結果を受け、一部の商品については技術要件を緩和する方針だ。
アンケート調査の概要
一般送配電事業者が調整力を調達する需給調整市場では、応札量不足により約定価格の高騰といった問題が生じたため、2026年度から全商品の前日取引化および入札単位時間の30分化が開始された。
この制度改正による応札者の行動変化を把握するため、電力広域的運営推進機関は取引会員を対象としたアンケートを実施し、その結果が「需給調整市場検討小委員会」第62回会合で報告された。アンケートは需給調整市場の全取引会員136社が対象で、回答数は51社(38%)に留まるが、応札量では約90%がカバーされている。
アンケート結果の概要
同小委員会では、このアンケートで得られた事業者の意見を踏まえ、応札量の増加に向けて、一部の商品要件等の見直しや、一次調整力必要量の見直しが行われた。
アンケートでは需給調整市場の商品別に、前日取引化および30分化が実施される前の2026年2月と、実施後の2026年4月における平均応札量を尋ねたところ、三次②以外の商品において応札量の増加が確認された。
応札量の増加要因としては「入札時間単位の30分化」との回答が多く、減少要因としては「スポット市場後の取引となった影響」とする回答が多く挙げられた。
応札価格の動向
同様に、2月と4月の期間における加重平均応札単価と、その変動要因について調査が行われた。
図2の左図では、アンケート回答社の応札価格と需給調整市場全体の価格を比較している。ただし、市場取引情報では応札単価は非公開であるため、公開情報の平均落札価格をグレーのグラフとして示している。これらを比較すると、一次(および一次を含む複合商品)では2月と4月のいずれも、市場全体の平均単価のほうが高いことが確認できる。これは、アンケートに回答していない社の高値応札が市場の平均価格に大きな影響を与えていることを意味する。
応札価格の上昇要因としては、原油やLNG価格の高騰による「卸電力市場価格の推移」という回答が多く、低下要因としては「想定応札量の変更」や「上限価格の引き下げ」との回答が多く挙げられた。一次・二次①・複合商品の上限価格は2026年3月まで19.51円/kW・30分であったが、4月からは15円/kW・30分へと引き下げられている。
応札価格の変動要因を電源種別に見たものが図3である。燃料を使用する火力では卸電力市場価格による上昇影響が大きく、蓄電池では上限価格の引き下げによる低下影響が大きいことが確認できる。



