政府は、持続可能な航空燃料(SAF)について、供給義務量の方針を示した。国際線利用者数上位の7空港を対象に、SAF供給率は2030年度の1%から段階的に引き上げる方針だ。
2030年度に1%、2032年度以降は5%
国際民間航空機関(ICAO)は、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする長期目標を掲げており、この実現に向けてSAFの利用が中心的な役割を果たすと期待されている。ICAOのCORSIA(国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム)において、日本などの先進国はすでに排出削減義務が課されており、2025年の第42回ICAO総会では、SAFやLCAF(低炭素航空燃料)などの利用により、2030年までにCO2排出量を5%削減することが求められている。
しかし、SAFの製造コストは現時点で従来のジェット燃料と比較して高額であるため、2025年時点の世界全体のSAF使用量は航空燃料消費量の0.6%程度に留まっている。
国産SAFの大規模供給へ、2026年内にFID
また、産業競争力強化やエネルギー安全保障の観点から、SAFの国産化も進められており、2030年の国産SAF大規模供給に向けては、遅くとも2026年内に最終投資決定(FID)することが必要とされている。
第9回「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」では、SAF導入促進に向けた規制的措置や、そのコストを航空利用者が負担する仕組みについて、検討が行われた。
エネルギー供給構造高度化法に基づくSAFの供給義務
これまで、電力やガス、ガソリンの脱炭素エネルギー化を促進するための規制的措置として、「エネルギー供給構造高度化法」(エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び脱炭素エネルギー原料の効率的な利用の促進に関する法律)が活用されてきた。
例えばガソリンについては、経済産業大臣はバイオエタノールの利用目標等に関する「判断基準」(告示)を策定し、特定石油精製業者(揮発油の製造・供給量が60万kL/年以上の揮発油元売5社)に対して、バイオエタノールを年間50万kL利用(供給)することを義務付けている。
このため、SAFについてもエネルギー供給構造高度化法に基づき、ジェット燃料供給事業者に対して、国内におけるジェット燃料の供給量に対して、一定割合のSAFの供給を義務付けることとした。
国際的なSAF利用目標との整合や、SAFの供給体制確保や社会的な理解醸成に一定の時間を要することを踏まえ、目標開始年度を2030年度として、事業者の予見可能性を確保する観点から、対象期間をバイオエタノール同様に5年間(2030〜2034年度)として、年度ごとに供給義務量を設定することとした。



