厳しい暑さが続く中、夏物の衣料や化粧品、冷却グッズの販売が伸びている。猛暑需要が追い風になり、関西では7月の売上高が過去最高を記録した百貨店もある。アパレル、化粧品業界では夏物商品の増産に踏み切る動きも出てきた。
百貨店の売上高が過去最高に
阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)の婦人服売り場には、ノースリーブのブラウスやTシャツ、薄手のブラウスといった夏物の商品が並ぶ。今月上旬、旅行で訪れた東京都内の主婦(47)は、「1日着たら汗だくになるので、気軽に洗えるきれいめなブラウスがほしい」と話した。
同店では7月の売上高が前年同月と比べ2割増え、過去最高となった。売り上げを押し上げたのは婦人服で、夏物が好調だった。小売業界などでは猛暑が追い風になっている。
百貨店の衣料品売り場では、1~2か月後の季節に合わせた商品を並べることが多い。阪急百貨店を展開するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの広報担当者は「暑さが長く続くようになっており、夏でも秋でも着られる服を増やしている」と説明する。
冷却素材の衣料が好調、増産も
気象庁によると、今年は7月に5日連続で「酷暑日」を観測。8月に入っても厳しい暑さが続いている。
こうした中、暑さをしのいだり、日焼けを防いだりする商品の販売が好調だ。
マンダムでは、体にミストを吹きかける「ギャツビー クレイジークール ボディウォーター」の7月の売り上げが前年同月と比べ1.3倍に増えた。
また、ミズノは4~7月、ゴルファー向けの肌着など「インナー類」の売り上げが、前年同期比で3.5倍に急増。ゴルフ場での動きやすさを追求した機能性が支持され、外出時の普段使いで着る人もいるという。接触冷感素材のほか、日焼けしない長袖が人気だ。晴雨兼用傘の売り上げも前年同期と比べ35%増えた。
青山商事が展開する紳士服店「洋服の青山」では、着るとひんやりと感じる接触冷感の素材を使用した「冷たいポロシャツ」が人気だ。7月の売り上げが、前年同月比で9割増加。想定を上回る売れ行きを受け、急きょ増産を決めた。
ナリス化粧品でも、汗をかいてもべたつきにくい質感を追求した日焼け止め「by365」の5~7月の販売数が前年同期から2倍に拡大し、増産を重ねているという。
物価高でも機能性には出費惜しまず
日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄所長は、「物価高を受けた消費者の節約志向がある一方、冷却素材といった機能性の高い衣料などには出費を惜しまない人が多く、『メリハリ消費』の傾向が強まっている」と指摘する。



