冷凍食品を解凍すると食感が損なわれる「冷凍障害」を解決する新技術を、愛知県と県内企業が共同で開発した。和菓子など冷凍に適さなかった食品への応用が期待され、食品ロス削減にもつながるという。
解凍後も「ぷるん」とした食感を維持
新技術を活用して作られた「冷やしブルーベリーまんじゅう」は、ブルーベリーで作った餡を半透明の皮で包んだ水まんじゅう。冷凍後に解凍しても「ぷるん」とした食感が残り、見た目の透明感も保たれるのが特徴だ。
開発したのは、県あいち産業科学技術総合センターと、でんぷんの加工販売を手がける「東海デキストリン」(名古屋市)。これまでまんじゅうなどは冷凍すると解凍時に水分が抜け、形や食感が損なわれることが課題だった。そこで、植物が原料のセルロースナノファイバー(CNF)と加工でんぷんを独自技術で配合して生地に加えることで、解凍後も水分を保ち、形崩れも防ぐことに成功した。
食品ロス削減と働き方改革への期待
CNFは2016年に閣議決定された「日本再興戦略」で製品化に向けた研究開発が盛り込まれており、約2年前から県がCNFの食品への活用策を模索する中で開発が始まったという。
コスト面などの課題はあるが、新技術で期待されるのは食品ロスの削減効果だ。大福などの和菓子やパンに練り込むことで、冷凍食品にしても食感を保てる。冷凍食品は賞味期限も長く、廃棄を減らせる可能性があるという。
東海デキストリン企画開発室の湊友亮さんは「この技術が浸透していけば、食品業界に一石を投じるものになりうる」と話す。食品ロスが減るだけでなく、賞味期限の短い袋入りの生麺など日々商品の入れ替えが必要なものが冷凍に置き換えられれば、働き方改革につながる可能性もあるという。



