ノーベル平和賞にピレイ氏、法の支配の重要性強調
ノーベル平和賞にピレイ氏、法の支配の重要性強調

ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、2026年のノーベル平和賞を元国連人権高等弁務官のナバネセム・ピレイ氏(85)に授与すると発表した。国際刑事裁判所(ICC)の判事などを務めたピレイ氏の功績を通じ、世界各地で武力紛争が相次ぐ中で「法の支配」の重要性を強調する内容となった。

授賞理由と国際法への圧力

ノーベル賞委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長は記者会見で、「ピレイ氏は戦争や暴力行為を防ぐ上で国際法が有用であることを示し、平和と国際法を促進してきた」と授賞理由を説明した。

米国のトランプ政権はICCが自国の主権への脅威だとし、赤根智子所長ら13人を制裁対象としている。フリドネス氏はこの動きも念頭に、「国際法を巡る秩序そのものが強い圧力を受けており、関連機関が攻撃されている。『法の支配』こそが平和を支えているのだと訴えたい」と述べた。

ルワンダ虐殺での歴史的判決

ピレイ氏は南アフリカ出身の法律家で、1995~2003年にルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の判事を務めた。1994年に80万人超が犠牲となったルワンダ大虐殺では、「レイプは人道に対する罪であり、特定の集団を破壊する目的の場合、ジェノサイド(大量殺害)になりうる」との判決を初めて下した。

長年の国際法務キャリアと受賞の喜び

2003~12年にはICC判事、08~14年に国連人権高等弁務官を務めた。

ドイツ南部ニュルンベルクでシンポジウム出席中に受賞決定の知らせを受けたピレイ氏は、「この会場の(人権を尊重する)皆さんの拍手はとても大きな意味がある」と喜びを語った。