超伝導フィーバーから40年、高温超伝導研究の現在地を探る
超伝導フィーバーから40年、研究の現在地

電気抵抗がゼロになり磁石が宙に浮く、不思議な物理現象の「超伝導」。40年前、それまでより高い温度で超伝導になる物質がみつかり、物理学界にフィーバーを起こした。エネルギー問題が解決する――。そんな夢も語られた素材の研究は、どこまで進んだのか。

未明まで続いた「物理学のウッドストック」

フィーバーのはじまりは1986年。IBMチューリヒ研究所のベドノルツ氏らが、銅酸化物のセラミックスが零下約238度(絶対温度35K)で超伝導になると報告した。それまでの記録より12度高い。超伝導の発見から75年の常識を覆す報告だった。

翌87年、米国ニューヨーク。アメリカ物理学会が開かれたヒルトンホテルの大会場には1800人もの物理学者が詰めかけた。立ち見もあふれ、「高温」で超伝導になる素材の発表に熱狂した。伝説的なロック音楽祭をもじって「物理学のウッドストック」とも呼ばれたこのシンポジウムは翌日未明まで7時間にも及んだ。

思わぬ素材で壁を越える

そもそも超伝導は11年、オランダの物理学者オンネス氏によって、零下約269度(同約4K)に冷やした水銀で見つかった。液体の水が固体の氷になると性質が変わるように、超伝導になる前と後では物質の性質が一変する。電気抵抗がゼロになり磁場をはじくという、当時の物理学では説明できない現象だった。

重要なのが、超伝導になる最…

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