公文書などを管理する専門家「認証アーキビスト」の有資格者が全国で徐々に増えている。国立公文書館が2020年度に創設した公的資格で、今年4月1日時点で計349人が認証を受け、大分県内でも2人が活躍している。2024年1月に県内で初めて認められた日出町歴史資料館長の平井義人さん(71)に、資格を取得した理由や資料保存の重要性を聞いた。
資格取得の背景と動機
認証アーキビストは2025年度までに延べ508人の申請があった。認証委員会の審査を経て国立公文書館長が認証する。平井さんは申請した理由について、「学校法人『森友学園』を巡る決裁文書改ざんなどが問題になったことに加え、一般の人々の中でも資料の保存をないがしろにする意識が強まっていると感じ、この風潮を何とかしたいと思ったからだ」と説明する。
さらに、「資格自体が県内ではあまり知られておらず、私が取得することで機運醸成につなげたいという気持ちもあった」と語った。
学校現場での保存の現状
資料保存を拒む動きについて、平井さんは「日出町教育委員会では2年前から、町内の小中学校の協力を得て学校日誌の永年保存を進めている。ただ、学校現場からは『捨てられても困らない』という声も聞かれた」と明かす。
その上で、「現場の声を聞く中で、個人情報が漏れる恐れから、捨てるべきだという意識が広がっていると感じた」と述べた。
資料を残し続ける意義
インターネットやSNSの普及を背景に個人情報の取り扱いは慎重さが増している面はあるが、資料を残し続ける意義について、平井さんは「資料の廃棄が横行すれば、今は常識に思われていることでも100年後には全くわからなくなる」と指摘する。
「日出町の学校の歴史を例にとっても、明治期の資料が残っておらず、どこにどんな学校があり、生徒が何人いたかもわからない。100年前が失われているとも言える」と話した。