広島県府中町出身の東京理科大名誉教授・硤合憲三さん(76)のノーベル化学賞受賞が7日夜に決まり、県内各方面から祝福する声が上がった。母校の広島大付属高校(広島市)に通う生徒らも「大先輩」の快挙を喜び、「自分たちも続きたい」と意気込んだ。
母校の生徒ら「誇らしい」と将来への決意
発表から一夜明けた8日朝、同高に登校する生徒たちの間からは「ノーベル賞」という言葉が聞こえ、さっそく話題にしている様子がうかがえた。
同高2年の女子生徒(16)は「自分の通っている高校からノーベル賞受賞者が出ることになり、誇らしい。私も化学を学べる大学を選び、研究の道に進みたいと思っているので、負けないように頑張りたい」と語った。同高1年の女子生徒(15)は「努力したら報われるということを体現してもらった。自分も好きな宇宙の勉強や研究をこれから頑張りたい」と将来を見据えた。
校長や同級生も祝福
小野章校長は8日、報道陣の取材に応じ、「本校からのノーベル賞受賞者をうれしく思う。今後も大先輩の偉業に続く人材を輩出する教育をしていきたい。本校での学びが研究生活にどのような影響を与えたのかも知りたい」と述べた。
小中高で同級生だった広島市佐伯区の竹内啓一さん(75)は「同級生でノーベル賞を取るなら彼しかいないと思っていた」と受賞を喜んだ。昨年、硤合さんの日本学士院賞受賞を祝う会が同市内で開かれた際、「ぜひノーベル賞を」と同級生らから声をかけられ、照れくさそうに笑っていたという。竹内さんは「今度はノーベル賞受賞のお祝い会を開いて、『おめでとう』と伝えたい」と話した。
同高同窓会「アカシア会」の槙本良二会長(66)は「昨年6月の同窓会で講演をしてもらったこともあり、温かい人柄を感じた。高校時代は運動神経もよく、すごい先輩だったと聞いていた。全同窓生の誇りです」と笑顔で語った。
知事と町長も祝意、書店には特設コーナー
受賞決定を受け、横田知事は8日、報道陣に対して「県民を代表して心からお祝い申し上げたい」と述べた。ノーベル賞の自然科学3賞の受賞は県内出身者では初めてとされ、今後は県として受賞を祝う行事などを検討するという。「基礎研究の重要性が多くの人に認識されたことに、大きな意味がある」と語り、理系人材の育成に向けた機運の高まりに期待を示した。横田知事も同高卒で、「こうした先輩を持てたことが本当にうれしく、誇らしい」と喜んだ。
出身地である府中町の寺尾光司町長は「町民にとってこの上ない大きな喜びであり、最大の誇り。これからの次代を担う町の子どもたちにとって大きな目標となり、夢と希望、挑戦する勇気を与えてくれた」とのコメントを発表した。来週中にも、町役場の壁面に受賞を祝う懸垂幕を設置する予定としている。
広島市中区の書店「廣文館フジグラン広島店」は、受賞発表を受け、化学に関する書籍の特設コーナーを開設した。雑誌棚の間の円卓上に「祝 2026年ノーベル化学賞受賞」などと書いたポップと、化学の入門書6点を並べた。今後も関連書籍を増やすという。店員の男性(46)は「これを機に、今まで化学に興味のなかった人にも本を手にとってもらえたら」と話した。