人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の受賞者が3日(日本時間4日)発表され、「鼻のかみ方」を空気力学的に研究した旭川医科大(北海道)の故海野徳二・名誉教授が医学賞に決まった。日本人の受賞は20年連続となる。
鼻のかみ方の研究
海野さんは1933年生まれ。耳鼻咽喉科の医師として、呼吸器疾患を予防できる鼻のかみ方を研究。「強くかむと耳に悪い」と思われがちだが、強くていいこと、片方ずつのほうが効果的なことを77年に発表した。
旭川医科大に耳鼻咽喉科の教室を立ち上げ、道北・道東地域の医療に尽力して2022年に89歳で亡くなった。今回、スイスで開かれる授賞式に参加する後任の高原幹教授は「当たり前のことを当たり前と思わず、科学的に向き合う。大変誠実で学問に真摯な方だった」と振り返った。
化学賞はゴキブリのミルク研究
化学賞には、「ゴキブリのミルクはカロリーが牛乳の3倍」だと確認した元名古屋大教授のレオナルド・シャバスさんと、米国籍の八木浩一郎さんらが選ばれた。この研究は16年に発表され、卵でなく、おなかで子どもを育てる胎生のゴキブリが分泌するたんぱく質が、牛乳よりはるかに高カロリーであることを発見した。
米CNNは当時、「これぞ求めていたプロテイン飲料か」と報道し、オーストラリアの科学メディアは「未来のスーパーフードかもしれないが、できれば冗談であってほしい」と書いた。
受賞者のコメントと授賞式の変更
高エネルギー加速器研究機構(KEK)でたんぱく質のX線構造解析をしたシャバスさんはフランス出身で、日本人女性と結婚し、20年ほど日本に住んでいるという。「受賞の知らせに、妻は初め『詐欺じゃないの?』と疑ったが、本当だと知って喜んでくれた。日本は私にとって第二の故郷。これからもずっと暮らし続けたい」と語った。
イグ・ノーベル賞は1991年の創設から米国で授賞式を開いてきたが、トランプ政権が入国ビザの発給を厳しくしたことなどで参加を断念する受賞者が増え、初めて米国外での開催となった。



