NASA、太陽系外惑星探査の新型宇宙望遠鏡を打ち上げ 観測範囲はハッブルの約200倍
NASA、太陽系外惑星探査の新型望遠鏡を打ち上げ 観測範囲はハッブルの約200倍

米航空宇宙局(NASA)は30日、太陽系外にある惑星を探索する「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」をフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。開発や運用には、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)や国立天文台なども参加している。

打ち上げと観測計画

ローマン宇宙望遠鏡は同日午前7時半頃、米スペースXのロケット「ファルコンヘビー」で打ち上げられた。ロケットからの分離に成功すれば約100日かけて地球から約150万キロ・メートル離れた宇宙空間に向かい、5年間の科学観測を始める。

光を集める主鏡(直径2・4メートル)は1990年に打ち上げた「ハッブル宇宙望遠鏡」と同じ大きさだが、天体からの近赤外線を捉える場合、一度に観測できる範囲は約200倍に上る。

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観測の特徴と目的

2021年に打ち上げられた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」は遠方の観測を得意とする一方、ローマン宇宙望遠鏡は広い範囲から天体を探し出す能力に優れ、約100億年前までの数千個の超新星や数億個の銀河を観測可能という。

NASAは、太陽系外にある1000個以上の惑星の発見を目指しており、これまで見つけにくかった火星と同規模の惑星などを調べ、太陽系が特別な存在なのかを明らかにする。また、宇宙の膨張に関わるとされる未知の「暗黒エネルギー」の正体解明にも挑む。

日本の研究機関の協力

ローマン宇宙望遠鏡には、日本の複数の研究機関が協力している。JAXAは恒星の光を遮断して太陽系外の惑星の様子を捉える「コロナグラフ装置」に使う集光レンズなどの主要部品を提供した。また、膨大な観測データはNASAの地上局だけで受信しきれないため、長野県佐久市にある「美笹(みささ)深宇宙探査用地上局」の設備を増強し、一部を受信するという。

さらに大阪大などが南アフリカで運用する「PRIME望遠鏡」や米ハワイにある国立天文台の「すばる望遠鏡」は、ローマン宇宙望遠鏡と同じ対象を補完的に観測して精度向上に協力する「協調観測」を行う。

約43億ドル(約6900億円)かけて実現したローマン宇宙望遠鏡を巡っては、トランプ米政権が昨年、26会計年度で関連予算を計上しない方針を検討したが、連邦議会の反発で予算が確保された。

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