米航空宇宙局(NASA)は30日、新型の主力宇宙望遠鏡を打ち上げた。今後のミッションでは、これまでにない大規模な宇宙地図を作成し、物理学における最大の謎の解明を目指す。
「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」の打ち上げ
打ち上げられたのは、広大な宇宙のパノラマ画像を撮影するよう設計されたナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡。この望遠鏡についてドナルド・トランプ米大統領は28日、テキサス州ヒューストンのNASA本部で行われた式典で「宇宙の秘密を解き明かすのに役立つだろう」と語っていた。
高さ12メートルを超える最新鋭の宇宙望遠鏡は、フロリダ州のケネディ宇宙センターからグリニッジ標準時(GMT)30日午前7時26分(日本時間同日午後8時26分)、米スペースXの巨大ロケット「ファルコン・ヘビー」で打ち上げられた。
開発費と命名の由来
10年以上の歳月と40億ドル(約6400億円)以上の開発費が投じられたこの望遠鏡は、NASAのもう一つの主力望遠鏡であるハッブル宇宙望遠鏡の「母」として知られる米国の先駆的な天文学者、ナンシー・グレース・ローマン氏にちなんで名付けられた。
ハッブル望遠鏡は、従来考えられていたよりも宇宙が急速に拡大していることを明らかにした。一方のローマン望遠鏡は、暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー)を含む、その他の未解決の謎の解明を目指す。
観測能力と今後のミッション
NASAのジャレッド・アイザックマン長官は4月にプロジェクトを報道陣に公開した際、「ローマン望遠鏡は地球に宇宙の新たなアトラス(地図)をもたらすだろう」と述べていた。
ハッブル望遠鏡の100倍以上、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡よりも大幅に広い視野を持つローマン望遠鏡は、地球から150万キロ離れた見晴らしの良い地点から空の広大な領域を観測する。この地点に到達するのには約100日かかる。
また、より高い能力と精度を誇るジェームズ・ウェッブなどの他の天文台と連携して運用されるよう設計されており、数千個の系外惑星に加え、大質量星の爆発的な死である超新星を数万個発見することを目指す。



