宇宙に長く滞在すると、耳の奥にある「重力センサー」の一部が変化することが、福井大などの研究チームの調査で分かった。弱い電気刺激が、地球へ帰還直後の宇宙飛行士の姿勢を安定させる効果も確認された。将来的には、転倒リスクのある高齢者への予防・治療技術としての応用が期待される。
前庭器官の変化を解明
人は耳の奥にある「前庭器官」で、重力や体の動きを感じ取り、姿勢を保っている。宇宙では重力の影響がほとんどなくなるため、宇宙飛行士は地球に戻った直後にふらつきやすい。ただ、前庭器官のどの部分が変化するかは、これまで詳しく分かっていなかった。
国際宇宙ステーションでの研究
研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した宇宙飛行士を対象に調査を実施。長期滞在によって前庭器官の一部に変化が生じることを確認した。さらに、弱い電気刺激を与えることで、帰還直後の姿勢が安定することも実証した。
この研究成果は、加齢などで転倒リスクが高まった高齢者への応用が期待されている。研究の詳細は今後、学術誌などで公表される見通しだ。



