外資系IT企業の米国本社にシニア・プロダクト・マネージャーとして勤務する福原たまねぎ氏は、著書『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)の中で、アメリカの天才エンジニアたちが実践するシンプルで大胆な時間管理術を紹介している。その核心は「1日を2つに分ける」という方法だ。
若きエンジニアチームの驚くべき生産性
福原氏が初めてシアトルのオフィスを訪れた日、開発チームの平均年齢は26〜27歳で、最年長のエンジニアがようやく30歳という若さだった。ほとんどが大学や大学院を卒業したばかりの新人でありながら、彼らは世界20カ国以上で使われるシステムを開発していた。経験やスキルが十分でないにもかかわらず、生産性は極めて高い。その秘密は「時間の使い方」にあると福原氏は指摘する。
集中力は「鍛える」ものではなく「招く」もの
仕事の成果を大きく左右するのは集中力である。深い集中状態(フロー)に入ると、通常より高いパフォーマンスや創造性が発揮されることが、心理学者ミハイ・チクセントミハイの研究などで示されている。一方、マルチタスクで集中力が散漫な状態では、生産性が40%も低下するという研究もある。福原氏は、アメリカで働く中で気づいたのは、集中力は鍛えるものではなく「工夫」によって招くものだという点だと述べている。
天才エンジニアの時間分割法
福原氏によると、天才エンジニアたちは1日を2つのブロックに分ける。午前はコミュニケーションの時間に充て、午後は自分の思考と作業に完全に集中する。この方法により、集中力を最大限に発揮し、短時間で成果を上げているという。
午前はコミュニケーションに集中
午前中はミーティングやメールの返信、チームメンバーとの連絡など、コミュニケーション関連のタスクに集中する。これにより、情報の共有や調整を効率的に行い、午後の集中時間を確保する。
午後は自分の思考と作業に完全集中
午後は原則としてミーティングを入れず、自分の作業に専念する。この時間帯は、コーディングや資料作成、データ分析など、深い集中を必要とするタスクに充てられる。「切り替え」は集中力の敵であり、一度集中したら中断しないことが重要だと福原氏は強調する。
事前に集中する時間を確保する
この方法を実践するためには、あらかじめ集中する時間をスケジュールに組み込んでおくことが必要だ。福原氏は、集中力は自然にやってくるものではなく、意図的に環境を整えることで「招く」ことができると述べている。例えば、午後のミーティングをすべて断る、通知をオフにする、といった具体的な工夫が効果的だ。
「まとめる」ことで生産性が上がる
福原氏は、コミュニケーションを午前にまとめること自体が生産性向上につながると指摘する。バラバラに行うよりも、同じ種類のタスクをまとめて処理することで、脳の切り替えコストが減り、効率が上がるという。この「まとめる」習慣が、天才エンジニアたちの高い生産性を支えている。
福原たまねぎ氏は、この時間管理法を実践することで、誰でも集中力を高め、仕事の成果を向上させることができると結論づけている。



