アットマークテクノ、ローカルネットワーク向けOTA機器「Armadillo Twin Local」を10月21日提供開始
アットマークテクノ、ローカル向けOTA機器を10月21日提供

アットマークテクノは9月10日、インターネットから分離されたローカルネットワーク内で、複数のIoT機器を一括更新できるアプライアンス「Armadillo Twin Local」を、10月21日より提供すると発表した。同社のIoT機器向けLinux OS「Armadillo Base OS(ABOS)」を搭載するデバイスが対象で、月額レンタル形式で提供する。

インターネットへ接続できない工場、病院、インフラ施設、物流センターなどにおいて、ソフトウェア更新の作業負担を抑えながら、機器のセキュリティを維持できるようにする。

ローカルネットワーク内のIoT機器を一括更新

工場や病院、インフラ設備では、サイバー攻撃を防ぐため、制御機器やIoT機器をインターネットから分離したローカルネットワークで運用する場合がある。しかし、インターネットへ接続していない機器でも、USBメモリなどを介してマルウェアへ感染する可能性があるほか、OSやソフトウェアの脆弱性を放置することによるリスクも存在する。機器を安全に使い続けるには、閉域網で運用する場合も継続的な更新が必要となる。

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従来、ローカルネットワーク内に設置した機器を更新する場合、作業員が各機器の設置場所を巡回し、USBメモリなどを使って個別にソフトウェアを更新する必要があった。機器の台数や設置拠点が増えるほど、更新作業に要する人員と時間も増加する手間が増えることとなる。

Armadillo Twin Localは、外部のインターネットを経由せず、ローカルネットワーク内にある複数のABOS搭載機器へ更新データを一括配信する仕組みを搭載。作業員による現地巡回を減らし、更新漏れや作業内容のばらつきを抑えられるようにする。

LANへ接続して利用できるアプライアンスとして提供

Armadillo Twin Localは、OTA(Over the Air)に必要なソフトウェアをあらかじめ設定した専用アプライアンスとして提供される。利用者は既存のLAN環境へ接続し、簡易な初期設定を行うことで利用を開始できる。OTA用のサーバーや管理ソフトウェアを個別に構築する必要がなく、導入時の設計や設定に要する負担を軽減する。

更新日時を指定するスケジュール機能も備える。工場の生産ラインが停止する夜間や、病院・インフラ施設のメンテナンス時間帯などに更新を実行することで、通常業務や設備の稼働への影響を抑えられる。

クラウドに接続する既存のデバイス運用管理サービス「Armadillo Twin」に対し、Armadillo Twin Localはローカルネットワーク内のOTAへ機能を絞った製品となる。外部接続を制限する現場でも、ネットワークを利用した一括更新を可能にする。

更新失敗時は自動的にロールバック

ソフトウェアの遠隔更新では、通信障害やデータ破損などによって更新が正常に完了せず、機器が起動できなくなる可能性がある。Armadillo Twin LocalはABOSと連携し、更新中に問題が発生した場合、機器を更新前の正常な状態へ自動的にロールバックすることで、更新失敗によって生産設備やIoT機器が停止し、作業員による現地復旧が必要になるリスクを抑える。

ABOSは、コンテナ技術によってOSとアプリケーションを分離したLinuxベースのOS。OSの更新によるアプリケーションへの影響を抑えつつ、製品出荷後も継続的にセキュリティ更新を適用できるように設計されている。

同社はABOSについて、ルネサス エレクトロニクスの64ビットMPU「RZ/G3L」「RZ/G3SE」への対応も進めている。今後、ABOSに対応するMPUやシステムオンモジュール(SOM)が増えれば、Armadillo Twin Localで一括管理できる機器の選択肢も広がることになる。

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CRAやJC-STARへの対応を支援

IoT機器のセキュリティに関しては、欧州のEUサイバーレジリエンス法(CRA)や、日本のIoT製品セキュリティ適合性評価制度「JC-STAR」への対応が求められている。機器メーカーには、製品の開発段階でIoTセキュリティ機能を実装するだけでなく、出荷後に発見された脆弱性へ対応し、製品ライフサイクルを通じてソフトウェアを更新する仕組みが必要となる。

ローカルネットワークで稼働する機器も例外ではなく、外部ネットワークへ接続していないことを理由に更新を行わない場合、既知の脆弱性が長期間残る可能性がある。Armadillo Twin Localを用いてローカルネットワーク内のABOS搭載機器へ更新を一括適用できるようにすることで、機器メーカーや利用者による長期的な脆弱性対応と運用管理を支援する。

10台まで月額1万円、3カ月の無料試用も用意

料金は登録可能な機器が10台までのプランが月額1万円、100台までが月額1万5000円、200台までが月額2万円で、いずれも税別となる。最低契約期間は6カ月で、それ以降は1カ月単位で自動更新される。3カ月間の無料トライアルも用意する。

提供対象は同社のArmadilloシリーズに限らず、ABOSを搭載したデバイス全般とする。将来的に複数の半導体メーカーのMPUやSOMのABOSへの対応が広がれば、顧客が独自開発したIoT機器にも適用可能となる。なお、アットマークテクノでは、ローカルネットワーク内の機器を個別に更新する運用から、ネットワーク経由の一括管理へ移行させることで、IoT機器の更新に要する作業工数を削減し、長期的なセキュリティ維持につなげていくとしている。