人工知能(AI)を使って、映像から海底に沈んでいる海ごみを自動で分類し、数えるシステムを海洋研究開発機構(JAMSTEC)のチームが開発した。これまでは研究者の目視に頼っており、大幅に効率化できそうだという。専門誌に論文を発表した。
海底のプラスチックごみをAIで検出
海ごみの多くは、レジ袋やペットボトルなどのプラスチックだ。比重は様々だが、生物が付着するなどして最終的には海底に沈む。
これまで、どこにどのくらいの量のごみが沈んでいるのかは、底引き網を使って回収したものを数えるのが主な調査手法だった。ただ、生態系への負荷が大きいうえ、うまく網に入らないものもあるといった問題があった。水中ロボットなどで撮った映像から調べることもできるが、研究者が画面を見ながらひとつずつごみを分類していく必要があり、時間がかかるのが難点だった。
約1万2千枚の画像で学習、精度は目視と同等
チームは、過去40年以上の深海映像の中から、遠くに小さく映り込んだごみや、ごみと見間違いやすい岩や生物など約1万2千枚の画像セットをつくり、AIに学習させた。実際の調査映像で、専門家による目視での作業とAIの性能を比べると、正確さはほぼ同じで、平均2倍、最大で3倍の速さで処理できた。
AIは休みなく仕事ができるため、100時間の映像を人が分析するには約1カ月必要なのに対し、AIであれば2日ほどで完了するという。目視分析は画面酔いも引き起こす。



