ASMLジャパン設立25周年、売上高は2倍に拡大、人員を700名体制へ
ASMLジャパン25周年、売上高2倍、人員700名体制へ

ASMLの日本法人であるASMLジャパンは9月3日に都内で設立25周年の記念記者説明会を開催した。同社は半導体製造装置の中でもステッパ(露光装置)の大手であり、特にEUV露光装置に関しては現時点で量産を行える装置を出荷している唯一の企業である。

売上高は2025年に約2倍へ、DRAM投資が牽引

EUV露光装置は7nm世代以降のロジックプロセスや1cnm/1γnm世代のDRAMプロセスで欠かせないものとなっており、最先端プロセスを利用する企業はすべてASMLのEUV露光装置を導入している。この高価な製品の販売が好調で、2022年は212億ユーロだった売上高が、今年は430~450億ユーロとほぼ倍増する見込みだ。

急激な売上高の伸びは、今年に入ってからのDRAM需要の爆増に支えられている。2025年の売上高比率では、DRAM向け装置はロジック向けのほぼ半分程度だったが、今年はロジックとDRAM向けがほぼ同程度の金額になっている。CXMTやNanya、WinBondなども含めたDRAMベンダー各社が生産能力増強のための設備投資計画を発表しており、ASMLにも注文が殺到している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

出荷台数9%のEUVが売上高の48%を占める

出荷量と出荷金額の比率には特徴がある。出荷量で見るとEUV露光装置は全体の9%でしかなく、DUV露光装置(KrFやArF/ArF液浸)が52%と大半を占めるが、金額ではEUVが全体の48%を占める。EUV露光装置の高価格さがうかがえる。

地域別では日本市場の売上高比率が5%まで上昇した。Micron広島へのEUV露光装置の導入や産業技術総合研究所(産総研)へのHigh NA EUV(高NA EUV)露光装置の導入が大きいが、パワー半導体向けのDUV露光装置なども数字を押し上げている。

ASMLジャパンはエコシステム連携も担う

ASMLジャパンは今年で設立25周年を迎え、拠点8か所、人員500名の規模を持つ。2010年代に日本の半導体メーカーが相次いで自社Fabを閉鎖・縮小し、FablessないしFab liteに転換した時期は、露光装置の納入・設置とアフターサポートの面で厳しい時期だったという。

日本が他の地域と異なるのは、材料・マスクメーカーや部材サプライヤー、装置メーカーなどが元気で、現在も世界と戦える状況を維持している点だ。ASMLジャパンのもう1つの役割は、こうしたエコシステムパートナーとの交渉や連携を行うことである。

2030年度に向けて人員を700名体制へ

今後は2030年度に向けて人員を現在の500名体制から700名体制に拡充し、エコシステム連携やサプライチェーン強化を図る。追加の200名のほとんどはカスタマーサポートの人員の予定だ。

また、永原誠司テクニカルマーケティングディレクターから今後の製品ロードマップが示された。NA=0.33のNXE:3000シリーズとNA=0.55(高NA)のEXE:5000シリーズのロードマップに加え、NA=0.55向けのレジスト材料の候補例も紹介された。

将来のロジック/メモリのテクノロジーノードに対する露光装置の性能とレジスト候補について、ロジックでは0.7nm世代でK1(プロセス係数)が0.33まで縮小されるのに対し、DRAMは0Dnm世代でも0.45~0.49と大きい。ロジックは1次元的な回路で構成されることが多くフォーカスを絞りやすいが、DRAMは2次元になるためフォーカスを絞り切れないという。

ITF 2024で示されたロードマップにはHyper-NA(NA=0.75)対応のHXEシリーズが2028年から投入される予定だったが、今回のロードマップからは消えている。これに関して藤原祥二郎社長は「元々2030年代にHyper-NAを導入する計画はあり、現在も開発を行っているが、具体的に何時という話はまだ決まっていない。市況を見つつ、顧客と調整しながら、必要なタイミングで必要な技術を提供して行く」と述べた。Hyper-NAの投入時期は顧客需要を見ながら判断される見通しだ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ