松井秀喜臨時コーチの助言で岡本和真が開花、指導哲学で巨人打線を強化
松井秀喜臨時コーチの助言で岡本和真が開花、指導哲学で巨人打線を強化

2018年2月の巨人春季キャンプで、臨時コーチを務めた松井秀喜氏(現監督)が、当時4年目の岡本和真選手(現ブルージェイズ)のスイングを注意深く観察していた。まだ通算1本塁打だった岡本は、ロングティーで必死にバットを振り込んでいた。

軸足の指摘で打撃が開花

松井氏は、軸足となる右脚に問題があると見抜いた。投手方向へステップする際に体が前に突っ込み、打球に力が伝わらない状態だった。「軸足が『ほどける』ので力がロスしてしまう。上半身より下半身を意識して」と助言すると、当時21歳の岡本は修正に励んだ。

「うまくなるには、自分で自分を成長させる必要がある」という指導哲学のもと、先回りの助言を避けつつ、要点を絞った指摘で変化を促した。成長の跡が見えれば「昨日より全然いいよ」と背中を押した。

岡本と坂本の成長

岡本はこの年、レギュラーを掴み、打率3割9厘、33本塁打、100打点を記録。その後、3度の本塁打王に輝き、メジャー1年目の今季は松井氏のシーズン最多31本を上回る33本塁打をマークした。

また、坂本勇人選手も松井氏のアドバイスを基に打撃を進化させ、2019年には前年の2倍以上となる40本塁打を記録した。

指導者としての資質

松井氏は現役引退後、ヤンキースでマイナーリーグを巡回指導した経験を持ち、巨人のキャンプでは元同僚のアレックス・ロドリゲスの打撃を参考にした助言も行った。

恩師ジョー・トーリ氏は「彼には間違いなく指導者の能力がある。(日米で)色々な監督の下でプレーし、それがいい基準になるだろう」と評価する。坂本や岡本のような打線の中核を担う「第2の松井」を育てることが、新監督の大きなテーマとなる。