トランプ政治が歪めたW杯 FIFAの姿勢問われる 一線越えた政治介入
トランプ政治が歪めたW杯 FIFAの姿勢問われる

トランプ大統領とFIFA会長、表彰式でブーイング

サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会が閉幕した。世界最大級のスポーツの祭典に米国内は盛り上がり、トランプ大統領の政治演出もその熱にのみ込まれた。一方で、判定への異例の政治介入という汚点も残した。

スペインが延長戦の末にアルゼンチンを破った決勝の試合後、表彰式の場所へ向かって芝生の上を歩くトランプ氏と国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長に、会場からブーイングが浴びせられた。2人は両チームの選手にメダルをかけ、スペイン代表の主将ロドリにトロフィーを手渡した。選手たちの歓喜の輪が広がると、トランプ氏はインファンティノ氏に促されるようにして脇へ退いた。昨年のクラブW杯では優勝した選手たちの輪に残り、困惑を招いていた。

大会前から警戒された政治利用

大会の政治利用は開幕前から警戒されていた。インファンティノ氏は「FIFA平和賞」を新設してトランプ氏に贈り、ニューヨークのトランプタワーにFIFAの事務所を開設するなど、露骨にすり寄った。トランプ氏は、日ごろ批判する移民政策とは矛盾するが、大会期間中は「世界の結束」を強調するなど、政治的なメッセージを発信し続けた。

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判定への政治介入が波紋

大会中盤には、判定への異例の政治介入が発覚した。米国政府高官がFIFAに対して、特定の審判員の起用を圧力かけたとされる。FIFAはこれを否定したが、複数の関係者が匿名で事実を認めている。この介入は「一線を越えた」と批判され、FIFAの独立性が問われる事態となった。

多様性を武器に優勝したスペイン

優勝したスペイン代表は、多様性を武器に大会を制した。決勝後、若手選手のヤマルは「融和がサッカーの本質だ」と語り、政治に翻弄されないスポーツの力を強調した。一方、敗れたアルゼンチンは寒空の下で意気消沈し、試合後の表彰式ではトランプ氏へのブーイングが最も大きかった。

FIFAの姿勢が問われる

今回のW杯は、トランプ政権下で政治とスポーツの距離が大きく縮まった大会となった。FIFAのインファンティノ会長はトランプ氏との接近を深め、批判を浴びている。サッカー界の独立性を守るため、FIFAの姿勢が改めて問われている。

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